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新連載【第5回】未来を描く★同友企業〜(有)まるみ麹本店 代表取締役 山辺 啓三 氏〜

未来を描く★同友企業<第5回>

(有) まるみ麹本店 代表取締役 山辺 啓三 氏
〒719-1311 総社市美袋1825-3
T E L:0866-99-1028
創 業:1950年 入会:1993年


今回は、「自然に学ぶ味噌づくり」を信条とする(有)まるみ麹本店(総社市美袋)にお邪魔しました。山辺啓三社長に案内されて工場に一歩足を踏み入れると、なんとも言えず香ばしく優しい香りが鼻腔をくすぐります。見ると至る所に備長炭や温かみのある大きな木桶。昨年の西日本豪雨で被災したとは思えないほど綺麗に磨き上げられ、すべてが整然としています。

同社の創業は1950年。山辺社長の父・光男さんがアミノ酸を使った化学的な製法による醤油醸造を目指して、「山辺化学研究所」の看板を掲げたのがきっかけとのことです。しかし光男さんが手がけた醤油は思ったほどの売れ行きにつながらず、むしろ時代に逆行するかのような原料の本来の良さを生かした味噌づくりへと転換していきます。高度経済成長期に農業が機械化され、農薬や化学肥料が普及すると、醸造に必要となる麹の品質が徐々に悪化。そんな時、水や炭にこだわって自然農法を追求している農家と出会ったことで、「自然のまま」という麹づくり・味噌づくりに本格的に取り組み始めます。

現社長の山辺さんは、大学院卒業後24才で岡山に戻り同社に入社したそうです。その後、先に同友会会員になっていた光男さんに入会を勧められ、山辺さんも例会などに参加するようになりました。経営理念の勉強会(現在の「経営指針成文化研修会」の前身)にも参加したそうですが、当時はまだ経営者ではなかったためなかなか身が入らず、でき上がったのは形だけの理念だったそうです。

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2003年、悪天候の影響で国産大豆の価格が2倍近くにまで高騰した時、「原料を輸入品に変えよう」と言う光男さんと、国産大豆にこだわる山辺さんは対立することになってしまいます。価格はさらに高騰を続け、翌年には約3倍にまで跳ね上がりますが、山辺さんはそれでも国産にこだわりました。これには光男さんもとうとう根負けしたようです。山辺さんは「今思えば、曲がりなりにも同友会で経営理念の勉強をしていたからでしょうね」と当時を振り返ります。翌年の95年に社長就任。それからは「この会社を守る」と固く決意し、同友会にも熱心に参加するようになりました。そして経営指針成文化研修会を再受講し、ようやく納得できる経営理念を仕上げることができました。社内改革にも取り組み、大豆価格の変動に対応できるよう1年半分の原料在庫を確保したり、大豆を原料としない米を使った麹製品などの開発などを進めました。山辺氏は「思えば、現在のBCPの取り組みも、その頃の大豆の価格高騰が起点になっているのでしょうね」と語ります。

昨年7月の西日本豪雨発生時、山辺さんは仙台で開かれていた中同協総会の真っ最中。途中で社員から何度も大雨の連絡が入り、気が気ではなかったそうです。岡山に戻るまでの時間に、復旧のためにすべき事を色々とシミュレーションしましたが、実際にたどり着いてみると想像以上の惨状を目の当たりにしました。「すぐにでも片付けて再開したいという思いはありましたが、社員に無理やり手伝わせることはできません。社員にしてみれば優先順位はやっぱり家庭が第一でしょう? 開口一番、『まず家族のことを考えてください』と言えたのは、やはり同友会で学んできたからこそだと思います。」
 その後、被災した工場や事務所の片付けに地域の方や学生ボランティア、同友会をはじめとする経営者仲間など多くの人々の協力を得て、11日目には早くも製造を再開することができました。再開当初は高揚感に包まれていましたが、しばらく経ったある日、なぜか心に虚ろなものを感じたそうです。悶々として眠れない中、昔読んだ本を読み返すと理由はそこに書いてありました。「生きることとは、誰かのために何かをしてあげることだ」―。その一文を読んで、すぐに「虚しいのはこれだったんだ」と思い当たったそうです。今までは商品の提供を通じてお客様に感謝していただくことが生きがいだったのに、被災してみるとそれとは逆に周囲の人々に励まされ、豪雨以来ずっと自分自身が感謝する側の立場に居続けていることに気づいたのです。そして「明日からはまた、お客様や地域の皆様に感謝されるような味噌づくりに一層励んでいこう」と心に誓いを立て、ようやく心の平安を取り戻すことができたのだそうです。

今後の展望を伺うと、「BCPも被災のリスク分散をするだけではなく、もっと事業戦略を見極める必要性を感じています。食品は、健康を維持するという意味では医薬品以上の可能性が見いだされつつあります。おいしさはもちろんですが、疾病が増えるばかりの世の中ですので、今後は従来以上に健康に役立つものを追求したいですね。きっとバネのように、被災で縮んだ分だけ高く飛べるはずです」と生き生きと語って下さいました。


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