第30回「魅力発信！−New Face」吉原冷蔵（株）

吉原冷蔵（株）
専務取締役　吉原 宜子 氏
代表取締役　吉原 徹 氏
2023年入会・岡山北支部

古美術店から冷蔵倉庫業に

（藤原）　創業して何年になりますか？
（吉原宜）111年目になります。現社長で4代目です
（藤原）　長寿企業ですね！ 最初から今の事業をされていたのでしょうか？
（吉原徹）創業当時は古美術店や製造藤原業のメンテナンス、製氷業を行ってい
　　　　　ました。その氷を貯蔵する部屋は温度が上がらず冷蔵保管に適してい
　　　　　たため、やがて冷蔵倉庫業を営むようになりました。
（藤原）　吉原さんはいつからこちらで働いているのですか？
（吉原宜）2013年に結婚してすぐに経理として会社に入り、23年から社長であ
　　　　　る夫の補佐として経営に携わるようになりました。
（吉原徹）前職で経理部長をしていて数字に強かったので、決算書を見て悩みな
　　　　　どを共有できるところを頼りにしています。
（藤原）　それは社長にとって心強いですね。

ウリは特殊な設備と「凡事徹底」

（藤原）　事業の強みは何ですか？
（吉原徹）設備としては二重天井が強みです。この設備は先代が開発し、今では
　　　　　大阪の企業が全国に展開するほどの技術です。冷気が二重天井の中を
　　　　　通るので温度変化が抑えられ、食品にも働くスタッフにも優しい環境
　　　　　が整っています。そしてホコリ一つありません。
（藤原）　すごいですね！　他にはどんなことがありますか？
（吉原宜）先代が培ってきた凡事徹底を心がける風土があります。この言葉はス
　　　　　タッフ同士の話し合いから出てきた言葉で、挨拶をする、整理整頓、
　　　　　日々の点検、ミスをなくす、懇切丁寧な対応など当たり前のことを丁
　　　　　寧に実践することに繋がっています。

同友会の学びを自社の課題解決に

（藤原）　経営上の課題はありますか？
（吉原宜）昔はトップダウンの組織であったため、新しい試みを提案してもベテ
　　　　　ラン社員から反対されて実現できなかったのです。その体質を変えた
　　　　　いと思っています。
（藤原）　そういった問題を解決していくためにどのようなことに取り組みまし
　　　　　たか？
（吉原宜）社員教育などはまだこれからの課題ですが、現在アクションプランを
　　　　　作成中です。
（藤原）　入会した理由はやはりこのようなことも関係していますか？
（吉原宜）はい。良いタイミングで声をかけてもらいました。例会で他の経営者
　　　　　の悩みや取り組みを聞いていると、たくさんの元気をもらいます。
　　　　　毎回気づきをいただいています。

今後の事業展開

（藤原）　今後、どんな会社を目指しますか？
（吉原徹）スタッフ一人一人が実力を発揮し、みんなの力で成長し続ける会社を
　　　　　目指したいです。人を大切にできない会社は残っていかないですから
　　　　　ね。
（藤原）　会社の今後の展開についてはどうですか？
（吉原徹）古い事務所のあった岡山駅付近の土地を活用して、安定収入となるパ
　　　　　ーキング事業を行う予定です。次の投資はＤＸ化を検討しており、そ
　　　　　の次は設備のリニューアルを考えています。築年数が20年を超える倉
　　　　　庫もあり、機械のリニューアルも必要です。時代の変化に対応しつつ
　　　　　今ある技術、資産が活用できるような新事業も模索していきます。
（藤原）　新事業、気になります！
（吉原徹）頭に血が上った方を冷やす事業なんてどうでしょう？
（藤原）　頭を冷やさなあかん人いっぱいいますよねー（笑）

取材後記

　取材後、施設見学をしました。防寒着を借りてマイナス25℃の倉庫へ—。防寒着を着ていても耐えられない寒さでした。こんな寒さの中で日々働く人たちの事も考えてつくられた設備は、人にも商品にも優しいからこそ、広がっていったのだなと納得でした。（藤原）