障害者雇用についての課題を本音で語り合う
2月21日、岡山国際交流センターにて行政機関、障害者就労支援各機関との合同懇談会が開催され、今回は岡山県教育委員会と岡山県下6支援学校の先生も新たに加わりオブザーバーも合わせて計46人で意見交換を行いました。
まず大橋佳奈障害者問題委員会副委員長が挨拶に立ち、「ただの意見交換ではなく、障害者雇用についての問題点や改善点を、腹を割って本音で語り合いましょう」と、この会の意義を共有しました。
続いてサンコー印刷(株)の三村理秀氏より自社での障害者雇用の実践報告がありました。自身がお世話になった上司の息子さんが交通事故で障害者となり、その方の入社をきっかけに障害者雇用を固く決意され、様々な関係者から広く学びや気づきを得ながら実施した障害者雇用の事例報告がありました。障害特性に合わせた様々な工夫や知恵、失敗談や改善事例などを熱く語り、職場担当者の率直な意見や感想、障害のある方がどうすれば職場でスムーズに仕事ができるかという様々な工夫やアイディアを、本人だけでなく同じ職場の社員さん全員で考え、その率直な意見や思いを尊重し、実現できる三村氏の行動力が同社独自の障害者雇用の仕組み作りになっているのだと感じました。印象的だったのは、三村氏がご自身の障害者雇用への考えや思いがただの自己満足なのではないかと常に障害者雇用に真剣に向き合う中で、本当の意味での障害者の雇用の必要性に気づき、社内での仕組みや体制作りを進めてきた経緯には、聞いている誰もが大きくうなずいていました。
グループ討論では「中小企業が求める良い人材・欲しい人材とは?」「自校や事業所の利用者が一般就労するならどんな会社が良いか?」の二つを討議の柱に企業と支援機関双方からの目線で意見交換をしました。グループ発表では企業と支援機関にどのような連携や協力、相互理解が必要かという部分に焦点を当てた意見が多く、中でも情報の明示や企業が求めるスキル、仕事の切り出し図、能力体制図、障害や病気の種類・禁忌事項の把握など担当者や個人の感覚ではなく、社員のみんなで見て共有できる配慮や創意工夫についての発表が多くありました。座長のまとめとして國富淳治障害者問題委員長が、「企業が障害者を取り巻く環境を理解するのと同時に、障害者就労支援に関わっている方も企業をしっかりと理解する相互理解が必要であり、お互いの信頼関係につながる第一歩ではないか」とまとめました。
最後に髙橋正志副代表理事が閉会の挨拶に立ち、「健常者も障害者も人はみなそれぞれ考え方も捉え方も違う。それぞれ人間にはよいところがあり、それを伸ばしていくためにはたくさんの人が関わって支えあっていくことが大事で、これこそが同友会が目指す経営者も社員も共に育つ経営につながる」と締めくくりました。次回は八月に就労支援部会主催で行う予定です。多くの会員が参加することを期待します。