第21回教育(共育)講演会を開催しました
第21回教育(共育)講演会開催 |
10月31日(木)、岡山県総合福祉会館に於いて、第21回教育(共育)講演会が開催されました。今回は表題にも同友会らしく『共育』という文字も入り、同友会の「共に育つ」の理念のもと開催されました。
講師には名古屋大学の植田健男氏を招き、「生きること、働くこと、学ぶこと」と題して、働くことの意味について講義をいただきました。
まず髙橋正志実行委員長より開会の挨拶があり、続いて岡山市教育委員会教育長の山脇健氏より祝辞をいただきました。
そして盛大な拍手の中、植田氏が登壇されました。植田氏は現在名古屋大学大学院に勤務されていますが、岡山県とも関係が深く、実父や植田氏の奥様のご実家が岡山県にあることなど自己紹介があり、会場のお客様も親近感を持ち講義に聞き入っている様子でした。
講義では、山田洋次監督の映画『学校』を例に挙げ、何のために学ぶのか、また現在の学校教育の問題点についいて、熱く語られました。映画『学校』の中では、夜間中学に通う生徒たちが、何のために学ぶかを真剣に考えていきます。そして「幸福(しあわせ)とは何かという問いを仲間と一緒に『考える』ために学ぶのだ」という結論にたどり着きます。現在の学校教育では「学力」は偏差値の高さであり、考えることより覚えることが優先されます。映画『学校』の中で言われている「考える」ことが置き去りにされています。その結果大学では、物事の結論を出すための過程を苦手とする学生が多く存在しているとのことです。
「人間」は生まれた時から「人間」ではなく動物としての「ヒト」が学習し、社会的に成長し「人間」になることも説明されました。人間として自立をするために教育を受けると話されました。
講演終了後は藤田賢治代表理事が挨拶に立ち、「人間らしく生きることと働くことは密接な関係があり、学ぶことによって深められていく。今後も地域と共に幸せな社会をつくっていくことを目指していきます」と締めくくりました。
協賛広告をいただきました企業の皆様、また実行委員会の皆様をはじめ、各支部で運営にご協力いただきました皆様、誠にありがとうございました。
参加者の感想
●私たちの働く場で「学ぶこと」「生きること」を社員さんと一緒に考えていく良い機会になるお話でした。人として自立した「人間」になれるような「学び」が、社内で進むように私たち経営者が努力していかなければと感じました。
●私は数年前まで大学生でした。その頃は講演会など、ただ出席していました。それは単位の為で、自分の学びの為ではありませんでした。しかし、社会に出ると、「何のため」「なぜ」という言葉が1番に出てきます。この講演を学生の頃に聞いておきたかったです。植田先生には1人でも多くの学生に気付きを与えていただきたいと思います。
●植田先生の目指す学びのあり方が納得できました。学力とか偏差値とか順位にがんじがらめにされない子どもを育てていきたいと思いました。1日の中で何か感動や発見がないと人としてだめになると思います。
●熱く語られる内容に胸が熱くなりました。生きる指標を見つけたような気がしました。そしてわが子へもきちんと向き合ってやれそうな自信みたいなものも湧きました。機会があればまた植田先生の話を聞きたいです。