岡山県中小企業家同友会・2022新春経営講演会その職場どないすんねん!
本気にならなアカン!!
2022年1月27日 岡山コンベンションセンター&オンライン
1月27日、現地会場とオンラインの併用によるハイブリッド方式で「2022新春経営講演会」を開催し、約300人(団体視聴を含む)が参加しました。今回は2012年に「この会社どないすんねん! 変わらなアカン!」の表題でご講演いただいた(株)山田製作所・山田茂会長(大阪同友会代表理事)をお招きし、この10年間の変化や新しい取り組みの紹介等も含む盛り沢山のご報告をいただきました。
今回の新春経営講演会は、内外にご案内を開始した矢先にオミクロン株の全国的拡大という事態に直面し、実行委員会でもぎりぎりまで「中止か開催か」について検討が重ねられました。しかし、当からハイブリッド開催を決めていたこともあり、現地参加を予定している方でも任意にオンライン参加に変更できる方式を考案するとともに、会場の感染防止策を徹底することで、岡山県の「まん延防止等重点措置」期間の初日と重なったにも関わらず予定通りの開催に漕ぎつけたものです。
山田氏は感染症が拡大し始めた20年初頭から手元資金の確保や緊急の経営計画書の作成などを行ったことに触れ、結果的に生産性向上につながったことを話しました。
また大阪同友会に入会した当初の自身を振り返り、経営者と社員との信頼関係を構築するためには、何よりもまず経営者の言行一致が不可欠であるということに気づいたエピソードなどを挙げました。そして『労使見解』にある「経営者は企業の全機能をフルに発揮させて、企業の合理化を促進して生産性を高め、企業発展に必要な生産性と利益を確保するために全力を傾注しなければなりません」の記述を引用し、「ここで言われている『全機能』とは機械や設備の稼働を指すものでは決してなく、社員一人ひとりの潜在能力を最大限に引き出すことに他ならない」と強調。その具体例として、同社の新入社員に対して専務が昼休みや業務終了後に行った徹底的かつ根気強い個別指導の様子を生きいきと語りました。また、リーマンショックや東日本大震災の経験を紹介し、道徳的な言葉でごまかさず数字で経営を語る必要を強調。「社員との信頼関係とはなにか」「社員共育力のある会社とは」などについて具体的に伝えました。
最後に「経営理念である『私達は、モノつくりを通じて社会に貢献する文化型企業を創ります』を実現するために、これからも社員と共に、人を生かす経営というステージで成長して参ります」と締めくくりました。
講演会終了後は、参加者による名刺交換会を現地で実施し、熱気冷めやらぬ感想の交流やオブザーバーとの交流が行われ、盛会のうちに終了しました。
参加者感想より抜粋
●素晴らしい講演を聞かせていただき胸が熱くなり、こみ上げてくる想いと共に涙が溢れてきました。「本気になる」ということに奮い立たせてもらいました。もっと同友会で学びたいと思える講演会でした
●社員を一人前の社会人に育てることこそ「人を生かす経営」の真髄であるということを学びました
●「今、立ち止まっていてはいけない!」と叱咤されているようで心が震えました。10年前も感動しましたが、あれから踏ん張って、前を見て動かれていたんですね。自分に足りないのはやはり科学性。数字で説明ができていなかったです。私も踏ん張ります
●「理解することと納得していることは違う」という点についてよく理解できました。社員との信頼関係構築のために何をしなければならないか、何をしてはいけないかを真剣に考えていきたいと思います
●経営指針書を具体的な数値を用いてしっかり説明する事の大切さと、道徳的な言葉でごまかさず数値を使って合理性を語ること。どちらも関係性が薄いと数値が独り歩きしてしまうものだが、そこも納得してもらえる関係作りが大切だと感じた
●同友会の本当の学びというものを実感できた。当社の取り組みはまだまだ甘く、目先のことしか考えていない自分の姿を省みることができた。社員とオンラインで拝聴していましたが、多くの課題を見つけることができ、明日からまた前進していく勇気を頂きました
●zoom越しでしたが熱いパワーをいただきました。「内部的な経営方針は努力次第で100%達成できる」という言葉に、「どうせやっても・・・」という私の「逃げ」の気持ちを見透かされたようでした。また、組織の全機能をフルに発揮させるにためには人としっかりと向き合い、日々、相手の潜在能力を見つけるためのコミュニケーションを図っていかなければならないと気づきました。