第17期幹部社員大学
部下を持つ人のためのマネジメント研修
この研修会は、従来の幹部社員大学の枠組みを継承しながらも内容を全面的に見直し、全体の構成から課題シートのフォーマットに至るまで大幅に刷新して昨年リニューアルしたものです。見直しに際しては経営者にとっても大きな学びが得られるよう改良したほか、受講幹部が自らの行動計画を策定し、その実践と検証を踏まえて今後の改善策を考えるまでのPDCAを体感できるよう様々な工夫が盛り込まれました。また、これまで受講幹部にとって負担の大きかった「部下との話し合いの議事録作成」「課題図書のレポート提出」等は廃止され、各回の課題に集中して取り組むことができるようにもなりました。
各回にはそれぞれ「自社を知る」「自分の役割を考える」「部下との関係を考える」などのテーマが設けられ、段階的に問題意識や改善意欲が高まるように配慮されています。研修会当日は提出された課題に基づいて経営者を交えた質疑を行い、さらに内容を深掘りしていきます。
第1の「自社を知る」では、自社事業の分析を行うと同時に各社の経営理念の理解を深めます。第2「部門を知る」では、担当部門の役割や目標を振り返り、組織の現状を分析します。第3ではチェックシートを用いて自己分析を行い、その結果を踏まえて理想と現状とのギャップを明らかにします。また第4では職場アンケートを通じて部下と自分の認識の相違について考えます。これらのプロセスを経て、いよいよ第5からは今後のアクションプランの検討に入ります。プランの策定に際しては、各課題のウェイト(優先度)と期限、目標の達成基準とその測定方法、12カ月の実施計画などをシートにまとめ、その妥当性について質疑を行います。そして約半年後にもう一度集まり、上半期の実践の振返りと下半期に向けた改善計画を検討することになります。
リニューアル後の内容について、経営者からは「従来以上に幹部社員と共に学んでいる実感を持つことができた」「新シートは課題の炙り出しに大いに貢献したと思う。受講者の思いと各社の状況を具体的に把握できた」「アクションプランのフォーマットは実に良くできている。受講者も経営者も良い方向に導いてもらった」など、高い評価を得ました。
新しく生まれ変わった幹部社員大学は、※『経営指針成文化と実践の手引き』で強調されている「経営者がその経営姿勢を示し、経営指針への理解を深めるため幹部社員や社員と本気でかかわる(P65)」場であり、経営指針成文化研修会と表裏一体を成すものです。「幹部社員大学」という名称から取締役や部課長クラスの社員だけが対象であるかのような印象を受けるかもしれませんが、実際の参加層はきわめて幅が広く、チームリーダーやサブリーダー、工場長代理、一人しか部下がいない新任の部門長など様々な社員が受講しています。経営指針成文化研修会を修了した組織経営者の方は、是非、10月に開講予定の来期研修会にご参加ください。
※ 中同協刊:経営指針成文化と実践の手引き
A4判 93ページ。定価 2,200円(本体価格2,000円+税)。
幹部社員大学受講企業 経営者感想
(株)ジャスト 代表取締役 酒井 一貴 氏 (倉敷支部)
今回で2期連続の参加となりました。前回は内容が分からないまま勢いで参加しましたが、今回はそんな言い訳ができない状態で参加しました。第1回で早々と痛感したのは、幹部ですら当社の経営理念の意味をきちんと理解できていなかったということです。これは彼に非があるのではなく、指針書に載せて時々唱和しておけば社員は理解してくれるだろうと勘違いしていた私の責任です。当日のうちに、私の想いや何故その考えに至ったかなどを共有することができましたが、考えの甘さを痛感しました。彼も私の説明を初めて聞き、経営理念に対する理解をかなり深めてくれました。
ゆくゆくは会社の「幹」になってもらう幹部候補。そのような志のある方々に対して、一経営者として決して個人的な考えを押し付けることなく、また否定することもなく、ご本人に熟考してもらえるような質問を投げかける。私の立場からすれば、そのような質問力を磨くことができる点が幹部社員大学の一番の醍醐味であり、力不足を感じるところでもありました。 当社が組織として体を成していなかったが故に部長には大変辛い想いをさせてしまいました。しかし、もし幹部社員大学に参加していなかったら、私自身もそうした問題に気づくことすらできなかったのです。それでも前を向いて参加し続けてくれた彼の姿を見て、私も「このままでいいと言えるはずがない」と強く感じるようになりました。経営者であれば誰でも社員の幸せを願い、会社を発展させ、社員やその家族の生活を守っていく責任があります。幹部社員大学はそのための一番の近道だと私は感じております。
受講幹部感想より抜粋
●毎回の課題に向き合いながら答えを出すことは困難でしたが、同時にそれは新しい発見の連続でもありました。今まで問題から目を背けていた自分に対し、温かく真摯に指摘していただけたことは人生において幸運だったと思います
●仕事中や休みの時でも頭の中に課題のことや経営者の方々からいただいた言葉が浮かんで来ることがよくありました。今回学んだことは仕事以外の人との付き合い方にも生かせると思いました
●ビジョンを明確にして部下に伝えることの重要性を学びました。