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【22.10.18】<中小企業のSDGs最前線-第3回>岡山電力(株)

各社のSDGsの実践を取り上げることで、いかに自社事業と課題を結び付け、今後どのように取り組んで行くか―皆様の実践のきっかけとなる先進事例を6回シリーズで取り上げます


中小企業のSDGs最前線
~我が社の取り組みを紹介します~

岡山電力(株) 取締役 平井 敬明 さん (岡山北支部)

<所 在 地> 岡山市北区南中央町2-11 TKK 岡山ビル 5F
<事業内容> 電力小売事業
<W E B> https://okayama-epco.co.jp/


企業紹介

(山下)電力関係のお仕事だとSDGsとも関連が深そうですね。会社の成り立ちから教えて下さい。
(平井)前身の会社が13年前に創業し、当初はOA機器の営業が中心でした。ところが社員旅行で福島を訪れた際、東日本大震災の傷跡を目の当たりにして衝撃を受け、原発や日本のエネルギー政策に問題意識を持つようになりました。そして2016年の電力小売完全自由化を受けて、「岡山のための電力会社をつくろう」という思いで、岡山電力(株)を立ち上げました。
(山下)どういうところが「岡山のための」なんでしょう?
(平井)岡山で発電した電気を地元で使うことで電力の地産地消になりますし、お金も地域を循環します。料金の一部は岡山のスポーツ振興や教育振興の寄付に充てるということもしています。

「SDGs×電気」のイノベーション

(山下)SDGsの視点から見た電力について教えて下さい。
(平井)電力は私たちにとって欠かせないインフラです。でもどうやって手元に届くかなんて考えたことないですよね。それが2016年の電力小売完全自由化で変化しました。それまでは専ら大手の電力会社が一手に扱っていましたが、自由化によって新規参入が増えることで消費者は自由に電力会社やプランを選べるようになりました。例えば、発電方法を再生可能エネルギーに限定したプランや、支払った電気代がどのように活用されるのかを見える化したプランなど、消費者のニーズや考え方によって選択できる様々なプランが出てきました。
(山下)平井さんの会社の場合は?
(平井)私たちは法人顧客がメインで、以前は料金の安さで選ばれていました。しかしSDGsが浸透し始めた3年位前からは、環境経営やGX(グリーントランスフォーメーション)にも関心が向けられるようになり、企業の意識も変わりました。それに伴って当社でも再生可能エネルギーに限定したプランの契約が急増しました。
(山下)なるほど。使う電気を選ぶことでSDGsにもつながるのですね。
(平井)企業の社会的責任に関する議論が世界中で活発になり、今や中小企業も避けて通れない課題になっていますね。今後、ますますそれが進むと思っています。

※環境破壊や異常気象による自然災害、プラスチック問題や公害といった様々な環境問題を先進技術の力で解決することで、カーボンニュートラルなどの持続可能な社会の実現を目指す取り組みのこと

これからのSDGsへの取り組み

(山下)この先、会社としてSDGsにどう取り組みますか。
(平井)地域で作った再生可能エネルギーを地域のために使い、いざという時にも資源を分け合うことができる災害に強い街づくりをしていきたいと考えています。そして成功事例を岡山から外部に向けて発信したいと思っています。また自分たちが社内でできることもあると考えているので、まずは社員のSDGsに対する関心を高めていきたいですね。


聞き手=(株)イケル 山下 秀男
執筆=(株) ブレーンネットワーク 石川 明未

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