魅力発信!
-New Face-第22回
この連載では「よい会社・よい経営者」をめざして学び始めた新会員さんにスポットライトを当て、同友会でどんなことを学び、どんな企業を目指すかを語っていただきます。日々奮闘している会員企業を紹介します。
サトウオートサービス
代表 佐藤 通洋 氏
2021年入会・倉敷支部
サトウオートサービス
<所在地>〒710-1301 倉敷市真備町箭田1034 TEL 086-698-1931
<事業内容>自動車販売・買取・車検・整備・鈑金塗装・保険代理店・レンタカー
URL:同社ホームページ
今回は青年部の企業訪問に合わせて、真備に拠点を置いて頑張っている「サトウオートサービス」を取材しました。
「自分は修理をしたい!」と先代が創業
(藤井)創業の経緯について教えてください。
(佐藤)先代である父が1980年に車検整備業で創業し、今年で43年目になります。独立する前は自動車教習所で働いていました。
(藤井)安定している教習所を辞めて、あえて独立されたんですか?
(佐藤)ええ。最初は教習所内の整備工場を任されていましたが、教習指導員と整備士の資格を持っていた父は段々と教習指導の比重が増えてきたんです。父は「修理をしたい!」と一念発起して地元真備に戻って起業したそうです。
細やかなサービスが支持され43年
(藤井)本当に整備が好きなんですね。長く続いているということは地域の方からの支持あってのことでしょうね。
(佐藤)ありがたいですね。父は頼まれてもいない小さなことまで気付いて整備していました。傷がついているところには色を塗って綺麗に見えるようにしていましたし、車検で預かった全ての車にワックスと洗車をしていました。
(藤井)それはすごいですね!
(佐藤)今はボディコーティングをしている車もあるのでそこまではしませんが、水垢を落とす等、車内の掃除などはしています。お客さんの喜びそうなことを+αでする、そういうところが強みでしょうね。
西日本豪雨災害時の対応を機に、お客さんが倍に
(藤井)お客さんはどのくらいいるんですか?
(佐藤)被災前は4~500人で、今はその倍くらいだと思います。
(藤井)増えたんですか?
(佐藤)ええ。5年前に事業承継をしたタイミングで整備士を一人採用してキャパシティを広げていたんです。その翌年に西日本豪雨災害に遭いました。ここも3.5mぐらい浸かりましたが、幸いレッカー車を早めに高台に逃がしていたので、「動かなくなった車を引き取ってほしい」という依頼にも応えられました。おかげで、水没した車を引きあげて空き地に並べる―という作業が一カ月半ほど続きました。
(藤井)大変でしたね?
(佐藤)もう毎日全身筋肉痛で、朝目覚めると金縛りで動けない…ということもありました。それでも社員や地域の方がいたから乗り越えられたと思います。時間が経つと、「車を貸してほしい」という依頼が寄せられました。あいにくウチの車もほとんど水没して貸せる車がなかったので、商工会の仲間に頼み込み何とか30台ぐらいは調達しました。
(藤井)その時の対応が良かったからお客さん増えたんでしょうね。
(佐藤)あの時断っていたら、ウチで車を買ってくれるということもなかったかもしれません。
地域のニーズと自社の強みを活かした事業展開
(藤井)今後の事業展開は?
(佐藤)自動車業界は自動運転や電気自動車の増加、自動車の所有から共有へとシフトしてくる時代になると予想されています。そのような中で地域の特性に合った、山道や農道でも小回りが利く軽トラ・軽バン専門店や、レンタカー専門店を展開していきたいと思っています。
聞き手:藤井 他 青年部メンバー
執筆=NPOエリア・イノベーション 藤井 智晴