支援学校校外実習受け入れに協力
この度、障害者問題委員会が橋渡しとなり、(株)サンキョウ-エンビックスと岡山南支援学校のマッチングが実現し、支援学校の校外実習の受け入れを行いました。委員会では昨年度より正副代表理事及び理事、支部役員の方々の会社を隔月で訪問し、委員会活動へのご理解とご協力、障害者雇用に対する意識調査、校外実習受け入れのお願いに回っており、その努力が実を結んだ形となります。
学生のインターンシップは毎年積極的に取り組まれている同社でも、支援学校の実習受け入れは初めての取り組みで、戸惑う事も多々あったようです。しかし、そこは 「 人間尊重の経営 」 を全社挙げて実践している企業ならでは、社員一人ひとりが自発的に受け入れ生徒に向き合う姿勢、またその姿を嬉しそうに話してくれる有松修一会長や浅野浩一社長の笑顔も大変印象的でした ( 詳細は、受け入れ企業の感想をご覧ください )。
障害者問題委員会では、来年2月28日に 「 第7回行政・福祉・学校・企業との懇談会 」 を予定しており、今回の事例報告をさせていただきます。是非ご参加いただき、受け入れ企業から実際の声を聞き、支援機関のみなさんと意見交換しませんか?
<受入企業感想 > 存続する企業の条件
多様な人々が関われる会社を目指し、社員同士が学び合い、会社の理念や方針に向かって全社一丸となって仕事に取り組み、強靭な経営体質と活気ある職場を実現させることは良い会社の条件と感じています。
これからの時代、今までの当り前を変え「高齢者・女性・障害者」の積極的な雇用を視野に入れ、活躍の場を提供していくことも、存続していける会社の条件とされ、特に障害のある人たちは「社会に十分には受け入れられていない」と言われています。
そんな中、障害者問題委員会の国富委員長から 「 支援学校の生徒さんをインターンシップとして受け入れてみませんか?」 とお声をかけていただきました。
障害者問題委員会では障害のある人たちの積極的な雇用や自立の支援を推進していますが、「会社として障害のある人を雇用することは大変なことで、受け入れる会社が少ない」と聞きました。
当社も同様に大変なことだと感じていましたが、少しでも社会課題に対して応えられる会社になること、これを機会に社内の無駄な業務や非効率な手順に気づいたり、作業手順書を作るきっかけになったり、社員同士のコミュニケーションが円滑になることなどを期待して、挑戦することを決めました。
インターンシップは中学、高校、専門、大学と毎年7~10人程度の学生さんを受け入れていますが、障害のある学生さんを受け入れるのは、今回が初めてでした。受け入れたのは岡山県立南支援学校高等部二年生の生徒さんで、2週間 ( 実質10日間 ) の職場訓練でした。受け入れは決めたものの、一番心配したのは社員が理解し、対応してくれるかでした。二人の社員が受け入れ対応してくれたので本当に有難かったです。
社員の感想
● 大角 知登世さん(調査分析部主任)
初めに、社長から支援学校の生徒さんの受け入れの話を聞いたときは、正直、「本当にやるのか? 本当にやれるのか?」の気持ちでした。それでも、社長の支援学校の生徒を受け入れたいとの熱い思いを聞き、やるのであれば、精一杯生徒さんの面倒を見ようと思いました。
実際に、生徒さんと10日間一緒に過ごさせていただきましたが、思った以上に真剣に仕事に取り組んでくれる姿勢に、なんら私たちと変わりないと認識をあらためました。
また、普段仕事の上で、私は語彙のなさにより説明不足な部分が多いのですが、生徒さんに接するにあたり、お互いに理解できるように心がけました。
今回支援学校の生徒さんに関わったことは、私自身の弱点を見つめ直す良い機会となりました。
● 中野 智子さん(調査分析部員)
会社として初めての支援学校からのインターンシップ受入の担当となり、自分自身も大変勉強になりました。最初は頭でどうすべきか考えるばかりで不安な気持ちを抱えたまま初日を迎えました。
実際会って一緒に仕事をしてみると、自分が構えすぎていることに気づき、私自身が心を開くことで生徒さんも少しずつ打ち解けてくれたように思います。
10日間という訓練期間、一緒に過ごし感じたことは、コミュニケーションの重要性です。お互い消極的なところもありましたが、当たり前の挨拶、お礼の言葉がきちんとできます。その上で何か自信になることを見つけ、この先しっかりと就労していって欲しいと願っています。