ホームページをリニューアルしました。是非ブックマークにご登録ください。

全研鹿児島・第8分科会(岡山)特集/参加者・報告者感想

「人間らしく生きる」持続可能な社会のために中小企業は何ができるか
~顧客が求めているのは「薬」ではなく「健康」~

【報告者】(株)マスカット薬局 代表取締役 髙橋 正志 氏
【座長】(株)奥野組 代表取締役 奥野 一三 氏
【アドバイザー】(社)日本病院会 常任理事・(一財)操風会岡山旭東病院 院長 土井 章弘 氏

参加者感想/(株)奥野組 代表取締役 奥野 一三

この度第8分科会の座長をさせていただきました。岡山同友会から、報告者の髙橋正志さん、アドバイザーの土井章弘先生、記録の安本直一事務局長のほか、グループ長・発表者として7人の方々にご協力いただきました。また当日に先立って岡山北支部例会でプレ報告をさせていただきましたが、そこで様々なご意見をいただけたことで座長としての準備が足りないことに気づき、緊張感のある状態で本番に望めました。多くの方のご協力で無事分科会をやり遂げることができました。皆様に感謝申し上げます。

 例会の座長やグループ長はよく「シェフ」に例え「人間らしく生きる」を大前提にした持続可能な社会を実現するために、私達企業家は何をしなければいけないか、未来を見すえ真剣に考える分科会にしたい思いで報告しました。このような考え方に至った理由は、3年前に滋賀で開催された赤石義博氏をられます。報告者や参加者の発言を尊重し、隠された本質を引き出し、議論を粘り強く深めながらまとめていく役割から「シェフ」と言われるようです。先進的な自社の実践に基づく報告者とアドバイザー、グループ長をはじめ分科会参加者に恵まれ、私は座長として味付けや細工は必要なく、素材を活かすことだけに集中することができました。決して評論家にならず、「自分自身や自社はどのようにしているのか、どのようになりたいのか、そのための課題はどんなことか」を報告やグループ討議で丁寧に押さえていただけました。

 今回の分科会のテーマは「高齢化社会への対応」でしたが、過去の歴史や現状、未来予測からの自社を取り巻く外部環境の変化への対応について討論しました。厳しい環境は急速に形を変えながら続いていきます。全国の同友会の多くの先輩や仲間の存在は「自社を、地域を良くしていきたい」と思いを高めることができる財産です。

 体験や自分で悩み苦しみ、献身的に取り組む姿勢から発せられる素直な「言葉」には「力」があり、発言者だけでなく聞く側も「自分だけではない」という共感や「自分だけでは気づかない問題点」「新しい発見」への気づきなど互いに響き合います。そして同友会で気づき、学び、頭では理解できたと思ったことが本当の意味で肚におち、困難に立ち向かう勇気や明日からの実践を続けていく推進力になると思います。

 鹿児島という維新に燃えた気風の中での学びは大きかったです。このような機会をいただき皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

報告者感想/(株)マスカット薬局 代表取締役 髙橋 正志

 「人間らしく生きる」を大前提にした持続可能な社会を実現するために、私達企業家は何をしなければいけないか、未来を見すえ真剣に考える分科会にしたい思いで報告しました。このような考え方に至った理由は、三年前に滋賀で開催された赤石義博氏を囲んで「幸せの見える社会づくり」を学び合う実践塾に参加した影響が少なくありません。

 持続可能な社会づくりのためには、それぞれの企業に社会的責任があります。世界に類を見ない超少子高齢化社会の中で、持続可能な医療制度を守っていくためには、「顧客が求めているのは『薬』でなく『健康』」を実践することがわが社の責任であり、また国民の生命と健康を守ることにつながります。薬局という企業の報告を聞いて、自社の業種・業界に置きかえ、「誰もが人間らしく生きる持続的社会の実現のために、自社では何ができますか」というテーマでグループ討論してもらいました。
 それぞれの企業に持続可能な社会になるために役割・使命があるはずですが、危機意識を持って取り組んでいる企業がまだ少ないように感じました。
 私たち一つひとつの企業が小さな島であり、その島が集まれば、大きな群島になる。大きな群島になれば、世の中に大きな影響を与えることができる。まずは皆さんの企業が取り組まなければ何も始まらないのです。
 私たちは、財政破綻した夕張から学ぶことがあります。なぜ、夕張市民は、総合病院がなくなっても幸せに暮らせたのでしょうか? 一番の要因は、市民の意識改革でした。人間らしい生き方とは何か、人間らしい死に方とは何かを考え行動してきたことで、病院がなくても幸せに暮らせる夕張になったのです。

 第八分科会には、薬局経営者・医療関係者・全国の障害者問題委員会のメンバーが多く参加してくださり、「幸せな持続可能な社会を築いていくために、まずは私たちから頑張ろう」と言われて勇気をもらいました。まさに小さな島づくり運動です。

 最後に、同友会理念が掲げている、人類が求め続けていかなければならない「生きる・くらしを守る・人間らしく生きる」の精神を実践することが、幸せを前提にした「持続可能な社会」の実現には必要不可欠であると考えさせられました。

タイトルとURLをコピーしました