教育・福祉と企業との連携をみんなで考えよう アトリエKT 髙橋 京恵 (障害者問題委員会 副委員長) |
8月23日、岡山国際交流センターにて、行政機関、県下10校の支援学校の先生、障害者就労支援関係者と企業から約60人が参加し、合同懇談会が開催され 、地域連携についてさまざまな視点で意見交換が行われました。
この懇談会は、障害者問題委員会と岡山市障害福祉課が2015年より年に2回交互に持ち回りで開催しているもので、今回は岡山市主催で県立岡山東支援学校進路指導主事の佐宮尚宏氏より「教育・福祉と企業との連携をみんなで考えよう」とのテーマで問題提起がありました。
同校で2016年度末より取り組まれたクッキープロジェクト。これは、佐宮氏が生徒の校外実習などのお願いで事業所を回るときに、学校の概要、障害のある生徒への教育の取り組みなどが知られていないケースが多く、これらをもっと地域の方に知っていただきたいとの思いから始まったものです。そのためのツールとして、「かねてから生徒が実習で制作していた手作りクッキーを媒体として使えないか?」とのアイデアが発端となりました。この懇談会でつながりのあった私にご相談をいただき、企画の骨子をまとめて、他の複数の専門家や企業の方と一緒に、約半年がかりで進めました。
クッキーのブランディング・商品開発から販売の流れで、「利益」を上げるためではなく、「広報・啓発」的な側面の大きいものでした。大手百貨店での販売の経験は、生徒たちにも大変良い経験になり、佐宮氏は、「この取り組みを通じて、『福祉』を中心とした『教育』と『企業』の連携のために、お互いを知ることがとても重要だ」と締めくくりました。
グループ討議では8テーブルに分かれ、「事例報告をもとにそれぞれの立場から教育・福祉と企業との連携について考えよう」を討議の柱として活発な意見交換がなされました。
「岡山市の法定雇用率の達成率が50%以下である事から、もっと頻繁に連携の機会を設けてみてはどうか?」「いきなり雇用ではなく、実習の受け入れからでも始める事はできる。教員はもっと生徒をアピールしてはどうか?」といった意見が企業側から出されました。学校・支援機関からは、「生徒によって得手・不得手があるので、情報は常に更新しながら仕事をマッチングさせることが重要。連携していくことで福祉のレベルが上がる」との意見も出ました。
双方のメリットがあってこそ成立できる障害者就労ではありますが、認識の差があるのもまた現実です。それを埋めるためには、学校・支援機関は社会に通用するレベルまで支援を引き上げる必要があるし、企業もまた、そういった現状を知る努力が必要なのではないでしょうか?
最後に國富淳治障害者問題委員長が閉会の挨拶に立ち、行政・学校・支援機関・企業が連携し、情報発信、情報収集を相互でしっかり行い情報共有する事の大切さを再確認して締めくくりました。
岡山市障害者雇用支援月間パネル展
= 同友会企業も多数出展 =
9月11、12日の両日、岡山市役所一階展示スペースにおいて障害者雇用支援月間啓発パネル展が催され、同友会会員企業も多数出展した。9月が厚生労働省が定める障害者雇用支援月間であることを受けて岡山市障害福祉課が企画したもので、今年は岡山同友会も障害者就労支援団体としてパネルを出展しました。
出展した会員企業は9社です。障害者雇用支援企業として
● (一財)操風会岡山旭東病院
● (株)トヨタレンタリース岡山
● (株)栄工プラント
● (有)パパス
● アトリエKT
● (株)クニトミ
岡山市外より特別に障害者就労先進企業として
● サンコー印刷(株)
● 倉敷スクールタイガー縫製(株)
● (株)岡山乗馬倶楽部
が自社での取り組みを紹介するパネルを出展しました。