参加リポート (株)奥野組 代表取締役 奥野一三
事業継続力強化(BCP策定支援)セミナー/全5回
11月2日、おかやま西川原プラザにて会員企業20社で事業継続力強化セミナーの第1回目を開催しました。今年3月までの5カ月でおおよそ月1回、全5回のコースで実施します。
セミナーの目的は、「事業継続力強化計画」やBCP(事業継続計画)作成支援にとどまらず、同友会らしい強靭な経営とは何かをワークショップや演習を通じて学び合い、自社事業の継続力を強化して企業価値を高めることに主眼を置いています。講師をお願いした(一財)危機管理教育・演習センターの細坪信二理事長は、阪神淡路大震災の教訓からBCPの概念そのものを米国から日本に導入し、その普及を牽引してきたBCの第一人者です。本セミナーは、細坪氏の全面的なご協力のもと、BCをめぐる最先端の情報と本格的な演習の機会を得る大変貴重な場となっています。
今年も新見市の大雨水害や東日本を中心とする甚大な台風被害が発生し、今もなお事業活動の停滞や売上の低迷などに直面している企業も少なくありません。インフラの損壊や停滞がもたらす社会への影響は年々増しており、復旧には多くの時間と費用がかかります。こうした背景のもと、2019年7月16日には「中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律(以下、中小企業強靱化法)」が施行されました。これに伴い、「事業継続力強化計画」を策定して経済産業省の認定を受けることで税制優遇や補助金採択に有利になるなどのメリットが得られる制度もできました。
岡山同友会では、2018年7月の西日本豪雨災害を教訓にBCPの必要性を感じ、正副代表理事会の提案により2018年11月から準備講座を重ね、今回のセミナー開講に至りました。この講座では自然災害だけでなくいつ何時起こるかもしれない経営危機への対応にも踏み込みます。自社を強靭化することは地域の強靭化にもつながります。
「経営者である以上、いかに環境がきびしくとも、時代の変化に対応して、経営を維持し発展させる責任がある」(『労使見解』)。岡山同友会は全国に先駆け、事業継続の面からこの課題に受講者みんなでチャレンジしていきたいと思います。