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【22.03.22】参加リポート/会内行事「地方発! 私たち中小企業家が 未来を切り拓け! 」第52 回中小企業問題全国研究集会

誰一人取り残されない社会を創ろう

 2月17、18日に「第52回中小企業問題全国研究集会(以下、全研)in大分」がオンラインで開催されました。今回は、新型コロナウイルスに対応した地方都市開催のコンパクトモデルとして現地開催が予定されていましたが、オミクロン株の流行によりやむなく完全オンラインに変更されたものです。それでも全国から471人(岡山からは事務局含む15人)が参加し、2日間にわたり活発な議論が展開されました。

 初日は、8つの分科会に分かれ、それぞれのテーマに沿った経営実践報告を受けてグループ討議が行われました。第6分科会は岡山が設営を担当し、(株)サンキョウ-エンビックスの浅野浩一氏が「持続可能な百年輝業を目指して」の表題で事業承継をテーマに報告を行いました。
 2日目は、YouTube のライブ配信で全分科会の座長から前日の議論について概要報告が行われたほか、記念講演も行われました。講演は(株)地域科学研究所の木下光一会長(大分同友会・元代表理事)が「地方発信! 新分野に挑戦し続ける体質作りを実践する人間尊重企業」の表題で、地域にあり続ける中小企業として柔軟に業態転換を行い、新卒採用や社員教育を通じて強靭な企業づくりを続けてきた事例を報告しました。

全研 第6分科会 報告者感想

持続可能な100 年輝業を目指して
~社員の事業承継に立ちはだかる壁の乗り越え方~

(株)サンキョウ- エンビックス 代表取締役 浅野 浩一

 この度は全国大会で報告の機会をいただき、関係者の皆様へお礼申し上げます。弊社は今年50周年を迎えますが、今後100年輝業を目指す上でもよい振り返りができたように思います。
 非親族による会社の承継は、関係する人々との信頼と信用が何より大切であり、非常に難しい問題だと感じています。
 会社を存続させるためには、「ひと」「もの」「かね」の基盤が必要ですが、存続は人間でないとできないこと、非親族の承継は家族にも大きく影響を与えることなどを報告しました。
 私もこの機会を通じて、経営者として何を成し遂げるべきかが少しは解ったように思います。
 報告はオンラインで行ったため、グループ討議が盛り上がったのかどうか全く感じることができず、手応えがありませんでした。しかし、その後のグループ発表で、皆様の経営に対する情熱と強い意志を感じることができ、今回の報告が少しはお役に立てたのではないかと思っています。
 また、2日目の講演では、木下会長に同類の専門サービス業として憧れを感じました。その憧れを実現させるためにも、経営者として時代認識を持つこと、自社の問題や課題を的確に捉え解決すること、採用と教育が会社の成長と発展に繋がること、そしてそれをコツコツとやり続けることなどを学ぶことができたので、弊社も学びを実践していきます。
 報告後は、座長の松本直也さんと懇親会もなく寂しく帰宅することとなり、残念ながら全国大会の空気感を味わうことはできませんでした。リアルで学ぶことの大切さをあらためて感じました。


分科会参加リポート地域から「世界」を捉えなおす~地域に根ざした中小企業の重要性と連携が切り拓く展望~

 第1分科会は、京都大学の岡田知弘名誉教授のご報告でした。岡田氏には、かねてから各地同友会で中小企業振興基本条例の制定運動等にお力添えをいただいていますが、私は今回初めてご報告を伺い、その世界観や中小企業論に感銘を受けました。岡田氏は、「岸田政権が掲げる『新しい資本主義』で現在の諸課題が本当に解決できるのか?」との問題提起をされ、「必要なのは、むしろ『新しい政治・経済・社会のあり方』。足元の地域に視線を注ぎ、内部循環経済をつくることが重要。そのためにも、中小企業振興基本条例をもっと活用すべき」と話されました。
 今回の学びから私が実践しようと思ったことは、まず私たち中小企業経営者が「社会の主役」になる覚悟をすること。そして行政や金融機関、他団体との交流等を通じて地域の隠れた魅力を発掘するとともに、新しい魅力を創造することです。さらに、広く市民に対して、地元の中小企業が地域でどのような社会的役割を果しているかを明らかにし、その存在意義を示していく必要があると感じました。

(株)成和設備工業所 代表取締役 藤井 孝章


分科会参加リポート地域金融機関は中小企業とともにある~金融仲介機能の強化に向けて~

 第8分科会では( 株) 紀之国屋の中村高明会長と、金融庁監督局銀行第2課長の新発田龍史氏が、地域金融機関と中小企業の関係づくりについて話されました。報告もさることながら、グループ討論がとても濃いものでした。
 金融機関とどう向き合っているかという話でしたが、共通点は「自社の取り組みや経営者の姿勢を自らの言葉で伝えている」ということでした。「状況が悪い時ほど自らが出向いて理解を得るように努力している」という方もいて、信じてもらい理解してもらえる人になるために自身がどのような姿勢でいるべきかを振り返る時間となりました。これは社員さんとの関係にも共通すると思います。
 また、金融アセスメントの話では、「経営者保証を外してもらった」という声があり、同友会から始まった運動が国を動かし、私たち経営者の課題が解決されていった身近な事例を知ることができました。
 なぜ同友会の仲間を増やすのか、なぜ意見をまとめて要望を挙げるのか、それを実感することができるグループ討論でした。景況調査のアンケートもぜひご返答ください。この小さな積み重ねが中小企業のために、ひいては地域のために国を動かすのです。

(株)Orb 代表取締役 河井 七美

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