札幌市内にて。全国から約360人が参加。
発祥の地「北海道」から切り拓く共同求人と社員教育の未来
6月17日から2日間、札幌市にて2025共同求人・社員教育活動全国交流会が開催され、全国から約360人(岡山から8人)が参加しました。
初日は4つの分科会が設営され、第3分科会では企業変革と人的資本経営をテーマに、岡山から(株)サンキョウ︲エンビックスの浅野浩一社長と執行役員の岡根誠佳氏の二人が登壇。座長の㈱ファーストディレクションTAKEKICHIの木本康大社長を交え、パネルディスカッション形式で問題提起を行いました。
浅野氏は5代目の社長に就任してから現在までの取り組みを紹介し、「経営者には事業を次世代につなぐ役割と責任がある」と伝えました。また岡根氏は自社の将来ビジョンについて語りました。
第3 分科会のようす。左から 岡根 誠佳 氏、浅野 浩一 氏
2日目は「社員教育と共同求人の50年を検証しよう」と題したパネルディスカッションが行われ、中同協の川中英章・共同求人委員長、梶谷俊介・社員教育委員長、そして、北海道同友会の安井清吉・全道共育委員長の3人が登壇しました。1970年代に北海道で始まった共同求人と社員教育の活動について、パネリストからそれぞれの取り組みが紹介され、「企業が時代の変化に対応するためには、変化に対応できる社員が必要。そのためにも採用活動の継続と社員教育が不可欠」「学校教育にも企業が関わり、もっと地域に目を向ける必要がある」などの意見が述べられました。
閉会にあたり、中同協の明石耕作・社員教育副委員長は「同友会が目指す到達点と課題についてあらためて考える機会になった」と2日間を振り返りました。そして「専門委員会は自社を振り返り、会社がどうあるべきかを考え直す場。会社も委員会もその目的を見失うことなく実践していきましょう」とまとめました。
共同求人・社員教育活動全国交流会 第3分科会報告者感想
自分たちの道は自分たちの手で切り拓く!
(株)サンキョウ︲エンビックス 代表取締役 浅野 浩一 氏
私が5代目として会社を引き継いだのは2017年。以来、新卒採用に切り替えて15人以上の若者を迎えるとともに、社員教育にも力を注いできました。しかし、最大の変化は、自社株をすべてファンドに譲渡し、組織の在り方を根本から変革したことです。その背景には、「百年輝業」を目指す私の覚悟と、社員への思いがありました。
同族ではなく、社員の中から選ばれた経営者として辿り着いた結論は、非親族の社員が後継者となることはリスクが高く、家族の理解を得るのが難しい場合が多いということです。そこには相当の覚悟が求められます。後継者が不足している今の時代において、非親族の後継者へバトンを渡すためには、株式を含む経営リスクを軽減し、家族の理解と承認を得られる環境を整えることが不可欠です。私は、それを自らの役割と捉え、実践してきました。
第3分科会では、この実践について報告させていただきました。グループ討議後の質問や発表を通じて、これから考えるべきことや取り組むべきことについて、多くのヒントを得ることができました。
全国交流会は様々な視点から経営を学ぶことができます。会社を維持し、発展させるためには、経営者こそが人的資本としての力を発揮できるよう、全国に足を運んで学び、実践することが重要だと感じました。
浅野 浩一 氏
岡根 誠佳 氏
第3分科会報告者としての感想
(株)サンキョウ︲エンビックス 経営部門執行役員 岡根 誠佳 氏
私は報告者というよりも、社長の「会社」や「繋ぐ」ことに対する想いを社員代表として間近で聞いて受け取る役割であったと感じています。
その上で、私がサンキョウ−エンビックスに入社してからの5年間で経験したことをお話しさせていただきました。
パネルディスカッション形式だったためか、今まで言葉にしていなかったことが引き出され、自分の考えを整理する良い機会となりました。
また、岡山同友会の方々の応援のおかげで伸び伸びと報告することができ、大変感謝しています。
全体を通して、社長が成功と失敗を繰り返しながら経営を進めてきた話を聞き、この先も考え動き続ける会社でいる、すなわち「自分たちの道は自分たちで切り拓いていく」ことを求められているとあらためて強く感じました。報告者を経験し、また一つ成長できた気がします。