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-New Face-第12回
この連載では「よい会社・よい経営者」をめざして学び始めた新会員さんにスポットライトを当て、同友会でどんなことを学び、どんな企業を目指すかを語っていただきます。日々奮闘している会員企業を紹介します。
(株)アイダメカシステム
代表取締役 丸山 隆行 氏
2021年入会・津山支部
(株)アイダメカシステム
<所在地> 〒701-2615 美作市中川337 TEL:0868-74-7025
<事業内容>省力化機械・自動化機械の設計から製造、機械装置の修理や改造・メンテナンス、移設撤去等 URL:同社ホームページ
創業の経緯と事業内容
(伊藤)ここではどんな物を作っているんですか?
(丸山)主に製造業向けの様々な装置をオーダーメイドで作っています。例えば、商品を袋詰めする装置、製品の汚損等をカメラで検品する装置などですね。これらの修理や改造、メンテナンスも行っています。その他、タンカーなど大型船のエンジン部品も手がけています。
(伊藤)すごく幅が広いですね。創業はいつですか?
(丸山)1997年に義理の父が創業しました。私は津山高専を卒業後に県内の機械メーカーに勤務していましたが、結婚を機にそこを辞めて当社に入社しました。会社を継ぐつもりはなかったんですが、いろんな仕事をしているうちに面白くなって、2010年に事業承継しました。
(伊藤)つまり、先代から言うと丸山さんは娘婿なわけですね。当時と比べると社員さんは増えましたか?
(丸山)うちは10人ぐらいの規模がベストだと考えているので、積極的には社員を増やさない方針なんです。10人以上になると私一人ではまとめきれないのでリーダーを作ることになります。しかしリーダーを決めてしまうと現場は必ずそこを通さなければいけなくなりますよね。指示や連絡の時に間に人を介すると、どうしてもニュアンスが違って伝わることがあるので、そういうことを避けるための方針です。
社内の取り組みについて
(伊藤)会社の雰囲気はどうですか?
(丸山)去年の4月から役職をなくして全員横並びにしたんですが、良い感じですよ。名刺も私は「代表取締役」 と記載していますが、他の社員は自分で決めた肩書きを印刷しています。例えば「みんなのアシスタント」とか「メタルアート職人」など、自分がアピールしたいことを肩書きにしていますね。
(伊藤)それは面白いですね! 役職を横並びにしたことで何か変化はありましたか?
(丸山)コミュニケーションが活発になりました。仕事全体や成果を「見える化」しているので、自分たちで改善案を出し合ったりしています。これも少人数だからできることだと思います。
一般的に製造業は職人気質の社員が多く、技術力のある人が幹部に昇格する傾向がありますが、いくら仕事ができてもマネジメントが苦手だと幹部は務まりません。そこで当社では、組織のマネジメントは私が引き受ける形にしたんです。そうすると、社員一人一人が「自分は今何をどうすべきなのか」を考えるようになったんです。納期とやることはしっかり共有しているので、工程表も社員がひとりひとり自分で考えて自主的に動くようになってきました。
コロナの影響
(伊藤)コロナの影響はありましたか?
(丸山)感染が広がり始めた当初は、材料が届かないこともあって売上が半減しました。でも半年後には仕事量も戻ってきたので大きな影響は受けずに済みました。
(伊藤)材料は順調に入ってきますか?
(丸山)やはり中には一年以上入らないものもあります。仕事はあるのに資材がないという状況で、納期が長くなることをご説明し、ご了解いただいた上で受注しています。原材料が手に入るのをただ待っているだけにはいかないので、修理や改造の仕事も増やしてきました。価格面でも、石油や樹脂、センサー類の仕入価格が10〜20%上がっているので、見積りもそれに応じてさせていただいています。
今後の目標
(伊藤)最後に今後の展望をお聞かせください。
(丸山)社員には「世の中どうなるか分からないから、『アイダメカシステムで働いていた人なら来てほしい』と言ってもらえるスキルを身に付けておいた方がいいよ」と言っています。それぐらいスキルを磨けば、結果的に会社全体が強くなります。そんな人材が育つ組織になれば、みんなが当社で長く働き続けられるはずです。もし、社員の中から「マネジメントをやりたい」という声が上がれば、任せたいと思っています。
執筆:(株)Life index 伊藤 正信