第28回
この連載では「よい会社・よい経営者」をめざして学び始めた新会員さんにスポットライトを当て、同友会でどんなことを学び、どんな企業を目指すかを語っていただきます。日々奮闘している会員企業を紹介します。
(株)ココピア
取締役 藤原 真由美 氏
2023年入会・岡山南支部
(株)ココピア
【所 在 地】〒701-0206 岡山市南区箕島1246 TEL:086-250-6006
【事業内容】遺品整理・生前整理、特殊清掃、香りのプロデュース、セミナー(SDGsファシリテーター)
【W E B】https://www.kokopia.com/
創業の経緯・事業内容
(藤井)事業はいつ頃から始めたのですか?
(藤原)2012年です。夫が知り合いと、孤独死された方などの遺品整理を始めました。15年に組織化し、私はその頃に夫と結婚して事業に携わるようになりました。
(藤井)どんな仕事が多いのですか?
(藤原)主には遺品整理で、お客様の8割がご遺族の方です。最近は生前整理をされる方もいらっしゃいます。
(藤井)同業他社と比べて強みは何でしょうか?
(藤原)新規事業としてリユース事業にも注力しているところです。古物商許可を活かして出張買取の強化を図りました。また遺品整理のご依頼でもリユース、リサイクル、寄付、海外輸出など自社で仕分けて処分を減らせるようになりました。
(藤井)廃棄物が減るなら環境にもやさしいですね!
経営上の課題
(藤井)経営上の課題は何ですか?
(藤原)創業時は社員の離職率が高くて大変でした。目標が曖昧でチームワークがなく、トップダウン的な経営が原因だったと思います。私と夫の価値観の違いから経営方針に齟齬も生じ、ギスギスしていました。
(藤井)そうした課題にどう向き合ってきたのですか?
(藤原)当初は社員や顧客の意見を参考に理念を掲げていたのですが、ある日社員から「ちゃんとした理念を作ってください。僕たちはどこに向かって行けばいいのですか」と指摘されたのです。そんな時、知り合いから経営指針や同友会の話を聞き、「これだ!」と思って入会しました。すぐに経営指針成文化研修会を受講して練り直したのが今の経営理念です。
(藤井)社長と相談しながら作ったのですか?
(藤原)ええ、そうです。課題シートに一緒に向き合ってああでもない、こうでもないと相談しながら取り組みました。今は社員と共有しながら進めています。人材不足や働きやすい環境づくり、安全対策強化が課題です。
(藤井)何か具体的な取り組みをしていますか?
(藤原)社員とのコミュニケーションを大切にしようと、朝礼で全員顔を合わせて気持ちを一つにするようにしています。ライフスキル研修(※)も毎月実施し、心理的安全性の醸成にも力を入れています。
(藤井)心理的安全性というと?
(藤原)例えば危険な状況の家屋や、複雑な家族事情のお宅から依頼いただく場合もあります。その都度、何が最適かをみんなで話し合います。上司の考えを優先するのではなく、お互いの意見や価値を認め合い解決していくことでチーム力の強化を図っています。
(藤井)それはいいですね!
今後のビジョン
(藤井)今後のビジョンと自社PR をお願いします。
(藤原)遺品整理の職業的地位の確立と社会的認知度向上を目指しています。できれば元気な内に親子でコミュニケーションを取りながら、思い出を語り合いながら片付けるってめっちゃ素敵だと思うので、生前整理の良さを伝えていきたいです。
(藤井)本当はそれが理想ですよね。
(藤原)それから、そこに関わる社員一人ひとりが幸せに働ける環境づくりの追求と、リユース事業の強化を図りたいですね。ココピアに関係する全ての人が笑顔になれる会社を目指します。
(※)ライフスキル研修=日常生活で生じるストレスに対して、建設的で効果的に対処するために心理的社会的能力を学ぶプログラム。