
魅力発信!
-New Face-第40回
この連載では「よい会社・よい経営者」をめざして学び始めた新会員さんにスポットライトを当て、同友会でどんなことを学び、どんな企業を目指すかを語っていただきます。日々奮闘している会員企業を紹介します。
KitoBito 代表 米戸 雅之 氏
(2023入会・作州支部)
< 所 在 地 > 〒708-1534 久米郡美咲町藤原1341-1
< T E L > 0868-62-1508
< W E B > https://www.kitobito.jp/
< 事業内容 > 木製のオーダーキッチン、家具の製造販売
< T E L > 0868-62-1508
< W E B > https://www.kitobito.jp/
< 事業内容 > 木製のオーダーキッチン、家具の製造販売
「木」への情熱から生まれた唯一無二のキッチン工房
| 藤井 | 創業からこれまでの経緯について教えていただけますか? |
| 米戸 | 1999年に創業しました。とにかく木に関わる仕事がしたいという思いが強く、独立前に建具屋や家具製造会社などでデザイン家具の製作を通して修業を積みました。創業当初は家具の注文が中心でしたが、徐々に木製オーダーキッチンの依頼が増え、今ではそれが事業の柱になっています。創業から数年間は資金繰りに苦労する時期もありましたが、家族や地域の支えがあって乗り越えることができました。 ホームページを開設すると、当時まだ珍しかった木製オーダーキッチンに問い合わせが入ってきて、少しずつ事業が軌道に乗っていきました。 |
| 藤井 | すべて一人でされているのですか? |
| 米戸 | 設計は、女性目線を生かして妻が担当しています。お客さんの要望を聞いて、こちらからも提案しながら一緒に作り上げていきます。 |
| 藤井 | そうやってお客さんが納得する唯一無二のキッチンができあがるのですね。 |
「本物の木」が語る、KitoBitoのこだわり
| 山下 | KitoBitoの製品の強みやこだわりについてお聞かせください。 |
| 米戸 | 私たちの最大の強みは、「本物の木」に徹底的にこだわることです。津山の市場で原木を自ら落札し、自社で製材しています。木の種類によっては、5年ほどかけて自然乾燥させることもあります。合板や突板が主流の今、手間と時間をかけることで、時を経るほど美しさが増すキッチンが生まれます。 また、木の節や割れといった通常は捨ててしまう部分も、デザインとして取り入れることで素材の無駄をなくし、独自の美しさとして生かしています。端材も照明などのプロダクトに活用し、持続可能なものづくりを実践しています。 |


高騰する建築費と次世代を育てる組織への変革
| 藤井 | 現在感じている課題と、今後の展望について教えてください。 |
| 米戸 | 建築費の高騰で若年層が新築で家を建てることが減り、価格が高い木製オーダーキッチンの受注が厳しくなっています。今後は感度の高い顧客へのアプローチを強化していく必要があります。また、これまでの「職人」としての運営から、若い世代が安心して働ける「組織」へと会社を変革していくことも大きな課題です。 |
| 藤井 | どんな方と一緒に働きたいですか? |
| 米戸 | どう生きたいかを考えている人です。そういう方を迎えて、しっかり育てられる環境を整え、技術を継承していきたいと考えています。そのための新たな挑戦として、大阪のインテリア系ビルに常設展示を予定しており、より多くの方に直接私たちの製品を見て触れてもらう機会を増やします。東京の展示会へも出展して、販路を拡大していきたいと考えています。 |
同友会との出会い、そして未来へ
| 山下 | 同友会にはどのような期待を寄せていますか? |
| 米戸 | 同友会での学びや出会いを通じて、経営者として、そして組織としての成長を促していきたいと考えています。良い会社とは、人が育ち、安心して働ける場所だと思います。全国にいる同友会の仲間たちとの交流からそのヒントを得て、実践していきたいです。私たちの強みである「本物の木」のストーリーと、職人の技術を次世代に繋ぐ組織づくりを通じて、これからも木の可能性を追求し、岡山から全国へとKitoBitoの価値を発信していきたいです。 |
執筆=NPOエリア・イノベーション 藤井 智晴

