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第42回「魅力発信!-New Face」(一社)ファーストペンギン


魅力発信!
-New Face-第42回


この連載では「よい会社・よい経営者」をめざして学び始めた新会員さんにスポットライトを当て、同友会でどんなことを学び、どんな企業を目指すかを語っていただきます。日々奮闘している会員企業を紹介します。

(一社)ファーストペンギン
代表理事 小林 佐江子(コバヤシサエコ)氏
(2024入会・岡山南支部)
< 所 在 地 > 〒704-8191 岡山市東区西大寺中野881-3
< T E L > 086-942-0050
< W E B > https://www.hokago-fp.org/
< 事業内容 > 放課後等デイサービス・児童発達支援事業所の運営
20年の葛藤を、地域への恩返しに変えて
藤井  事業を始めた経緯について教えてください。
小林私には20代半ばになる息子がいますが、彼には発達障害があり、母親として葛藤と不安の毎日を過ごしてきました。「この支援で大丈夫か」「将来自立できるのか」と一人で悩み続ける日々でした。転機となったのは2017年です。長年派遣社員として勤めていましたが、息子の高校卒業をきっかけに、自分の経験を活かせる道を模索していました。ところが、息子が交通事故で大怪我をするという予期せぬ困難に直面しました。しばらく入院したものの無事退院できたので、勤める先を探そうとA型事業所を見学に行ったのです。そこで出会ったのが放課後等デイサービスの現場でした。
山下「A型事業所をしよう!」にはならなかったのですね?
小林A型事業所も検討はしていたのですが、見学した事業所の2階で放課後デイサービスをしていて、自分が子育てしていた頃にこんな施設があればよかったのにと思ったとき、「これだ!」と直感したのです。「自分が救われてきた経験や学んできたコツを、今まさに悩んでいるお母さんたちに伝えることで、地域に恩返しをしよう」-そう決意し、かつての療育仲間たちに声をかけ、18年6月に最初の事業所をオープンしました。
「得意」を起点に、勇気を育てる「ファーストペンギン」
山下  事業の特徴やこだわりについて教えてください。
小林法人名には、リスクを恐れず勇気を持って海へ飛び込むペンギンのように、子どもたちに社会へ踏み出してほしいという願いを込めています。私たちの最大の特徴は、その子の得意や好きを起点に支援を組み立てることです。最新のデジタルリハビリ「デジリハ」やプログラミング、ボルダリング、さらには自社農園での食育など、多彩なプログラムを用意しています。職員の多くが発達障害児の育児経験者であることも強みです。保護者の悩みが分かるからこそ、マニュアル通りではない、一人ひとりの心に寄り添った「褒めて伸ばす療育」を徹底しています。現在は3つの施設を展開し、約100人の皆さんにご利用いただいています。
組織づくりと「支援の質」の両立
藤井  経営を拡大する中で、どのような苦労がありましたか?
小林施設が3拠点に増えたことで、組織としての管理や、職員への理念浸透が大きな課題となりました。福祉業界は制度上の資格要件も厳しく、管理者候補の育成は急務です。かつては一人で抱え込みがちでしたが、今はチームで支え合うことを大切にしています。午前中は準備に時間を割き、午後の支援に備える。失敗も悩みも職員同士で共有し、共に学び合う文化を作ることで、支援の質を落とさずに拠点を運営できる体制を整えています。
同友会での学び、そして「切れ目のない支援」へ
山下  同友会に入会したきっかけと、同友会での学びについて教えてください。
小林福祉業界では横のつながりがなく、経営について体系的に学びたいと24年に入会しました。きっかけは障害者問題委員会に参加したとき、一般企業の皆さんが障害者雇用に注いでいる熱意に触れ、大きな衝撃を受けたことでした。現在は財務や経営指針書の作成について勉強中ですが、他業種の経営者から受けるフィードバックは、自社の強みを再発見する貴重な機会になっています。今後は企業と連携し、中高生段階からの就労体験の場を地域に作りたいと考えています。
子どもたちの「一生の自立」を支える未来
藤井  今後のビジョンについて教えてください。
小林私たちが目指すのは、18歳で終わらない「切れ目のない支援」です。放課後等デイサービスを起点に、就労支援、さらにグループホームの建設による居住支援まで、人生の土台を丸ごと支える仕組みをつくりたいと考えています。「この地域で育ってよかった」と子どもたちが思える社会。そして障害の有無にかかわらず、誰もが当たり前に受け入れられる地域づくり。ファーストペンギンのように、これからも勇気を持って挑戦を続け、子どもたちが自分らしく生きていける未来を切り拓いていきたいです。
聞き手=(株)イケル 山下 秀男 / 取材=NPOエリア・イノベーション 藤井 智晴
執筆=NPOエリア・イノベーション 藤井 智晴

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