企業経営者から組織づくりを学ぶ |
7月下旬から8月上旬にかけ、岡山県内の小・中学校の主幹教諭向け企業研修会を行いました。これは県教育委員会の要請を受け、学校の中核を担う主幹教諭(民間企業でいうところの幹部社員に相当。将来の教頭・校長候補)のマネジメント力向上を目的に、双方連携して実施したもの。小中学校の主幹教諭の企業研修は岡山県でも今回が初の試みとなりました。
全5回にわたり、会員企業五社に受講教諭10人(固定)が訪問し、午前中は経営者による報告・企業見学などを行い、午後からは企業側の幹部社員も加わりグループ討議を行いました。
受入企業感想 (藤原義彦氏)
研修会を受ける前は、営利団体である民間企業と教育機関では組織の形態が全く違うため、同友会型の組織運営を教育現場で働く学校の先生方に理解してもらえるかどうか不安に感じていました。しかしながら、参加した先生方の報告を聴く姿勢や質問内容、グループ討議での発言を通して、中小企業から人事評価や方針管理について参考にしたいという気持ちを強く感じました。
私が特に印象に残っていることは、公立学校は私塾とは違い、校長先生の下にフラットな状態で主幹教諭を含めた先生方がいる文鎮型に近い状況である点と、数値化できる指標や目標を作りにくい中でどうやって成果を評価するのかという点でした。これについては受講者からの振り返りシートを拝読しましたが、目標設定時と中間目標管理における主幹教諭としての目指すべき役割を認識している方が多く、今後のヒントになったのだと思います。研修会を通して先生方の熱心な姿勢が表れており、この試みは今後も続けるべきだと感じています。
受講教諭の感想
●社会とのつながりを意識し、自立した子供を育てていくことの意識が低かった。10年後20年後、その子がより豊かな人生を歩んでいけるように仕事に取り組んでいきたい。
●色々なライフステージや考えを持つ職員を生かすためにも対話を重ねながらその人の働きやすい環境を整え、楽しくかつ働きがいのある職場を作っていきたい。
●PDCAの「C」は日常のちょっとした声掛けや挨拶などの対話も当てはまるということを知り、少し気持ちが楽になったと同時に学校の中でもさらに意識して取り組めそうな気がしました。
●「忙しいから仕方ない」のではなく、忙しいからこそ何ができるか知恵を出して実行している姿が勉強になった。
●人は自己承認欲求を持っており、それを満たしていくことで伸びていくことを学んだ。
●学校の目標を色々な場面で他の先生方に落とし込んでいく、伝えていくことが私の役割であると再認識させられた。