第3分科会(同友会らしい地域づくり)
第3分科会(同友会らしい地域づくり) 記録担当:(株)吉備人 山川隆之 |
---|
第3分科会は「地域に活力を!出雲に繁盛店を!」~平凡なことをやり続けることで企業と地域が変わる!~をテーマに、島根同友会の㈱浜村建設専務取締役、浜村一彦氏による報告が行われました。
浜村建設は昭和25年祖父が創業し50年以上続く会社です。総合建設業として建設業、金属加工業、運送業などを展開しています。
平成20年のリーマンショックに大きく影響をうけ、3期連続の赤字となりました。浜村専務は大きな課題をかかえ、公共工事中心の閉鎖された業界を逃避するように地域作りに動きました。公共事業中心、売込みはしない風土の同社には容易に受け入れられない行動です。地域作りへ取り組みは、「地元の市場調査」「会報づくり」の2つです。市場調査は、お客様600人にアンケートを実施し、衣食住、働く、暮らす、学ぶ、遊ぶの生活七要素を聞き出しました。そして、地元の声をまとめ小冊子「出雲における商売繁盛の秘訣」を作りました。反響は大きく、地元新聞の取材、多くのセミナー依頼、研究所との共同研究などと広がりました。
「地元で商売する方は、地元の生活者の声に、商売繁盛の秘訣がある。お客さんの心の声や情報は非常に重要で上質だ。知恵の満載された、貴重な資源です。」と強く語られました。
もう1つは、会報づくりです。平成16年から地域の身近な話題の「だんだん倶楽部」を毎月発行しています。洋食屋さんのオムライスの紹介では、翌週から大きな反響があり大繁盛に繋がりました。震災チャリティイベントの紹介では、会場に入りきらない状況を生み出しました。地元の信頼できる企業の情報だからこそ、連帯が生まれ人の輪が広がります。地域作りの基本は人、人が企業を作ります。地元の人々の心そのものが自社の取り巻く環境を作り出し、変化を生み出します。答えはいつもお客様の中にあると熱く語られます。
最後に「経営者は表現者であれ。理念の具現化には自ら発信すること。私はどもり、人前で話すことが苦手で話し下手。不器用だからこそ、こつこつと積み重ねる。続ける経営者に社員は信頼を置くのだ。教えるのではなく、答えを導く。それが経営者の責任です。」と経営者のあり方を示されました。
座長は、「凡事徹底が、出雲の地域づくりを生み出している。同友会らしい押し付けでなく導くことは、会社の改革も通じ、経営者としてのあり方が大きな学びとなった。」とまとめ、第3分科会を終了しました。
参加者の感想は以下の通り
●地域が良くなることこそが、自社の発展を支えることを再認識した人こそが最大の資源であり、ネットワークをつくることで大きな資産にしていく。地域情報の収集と発信を今後も細統する。
●地域に必要な事は、地域の中にいる人が1番知っている。地域の人とのつながりを増やし、地域に必要な会社になれるよう、平凡な事でも、こつこつとしていこうと思います。
●経営者はこつこつと時間をかけて何事にも取り組んでいくことが大切だと思いました。消費者の方にもっと意見を聞く必要があると感じました。
●もっと地域の資源を深め、知ること。コツコツと目標をしっかり持ち、続けること。10年後の外部・内部環境を理解する。
●凡事徹底ということを続けていることがすばらしい。地道な活動が地域の信頼、信用につながっていると思う。やはり信用の創造が大切だと思いました。