バイオマスツアー真庭に22人が参加
1月15日、吉備高原支部の特別例会として「バイオマスツアー真庭」に参加し、事務局も含め22人が同行しました。
真庭のバイオマス活用の事例は、NHK広島取材班と藻谷浩介氏による『里山資本主義』等で広く紹介され、各地同友会からも環境委員会などが視察に訪れるなど、エネルギーシフトの観点からも全国的に注目を集めています。
しかし岡山同友会では、現時点では地域の会員企業が不在ということもあって積極的なアプローチができておらず、同市は数年来空白地域となっていました。今回の企画は、エネルギーシフトの学習という目的はもちろん、今後の同市への接触の足がかりとして吉備高原支部が準備し、会内に参加を呼びかけたものです。
岡山駅を出発したバスは真庭市役所で現地集合班と合流し、真庭観光連盟のガイドの案内でツアーがスタートしました。
最初に訪れた勝山木材ふれあい会館では、真庭市産業観光部の担当者による同市バイオマスタウン構想についての説明がありました。かつては木材の町として栄えた地域ですが、近年の人口流出と森林荒廃に危機感を感じた地元の経営者らが1993年に「21世紀の真庭塾」を立ち上げたことが全ての発端だったそうです。そこで町並み保存と循環型地域社会創造の方針が掲げられ、以後、産学官と連携しながら木質資源活用産業クラスター構想から、家畜排泄物や食品廃棄物等の活用も含めたバイオマスタウン構想へと進展してきたとのことです。その過程で、低コストで品質の安定した木質ペレットの製造、木材の安定供給の仕組みや発電利用などのノウハウを蓄積し、一定の基盤が整備されました。今後は新産業創出などによる持続可能な地域産業を目指す「バイオマス産業都市構想」という新しいステップに進む予定だそうです。
午後からは、森林組合のストックヤードや、銘健工業(株)、バイオマスによる冷暖房や太陽光発電などを導入した真庭市役所庁舎、バイオマス集積基地などを見学。木質ペレット製造やバイオマス発電、資源の供給施設などの現場の様子を視察しました。
先進的な取り組みには学ぶことが多かったものの、実際には木質ペレットの材料の多くに輸入材が利用されている点や、豊富な森林資源の利用が間伐中心で主伐は少ないままである点、少なからず補助金(税金)が投入されている点など、難しい課題も垣間見えたツアーでした。
本当の意味での地域内循環の実現にはまだ乗り越えるべきハードルも多く、その中で我々は今後どのようにエネルギーシフトに取り組んでいくべきか、自問した参加者も多かったのではないでしょうか。