共同求人・社員教育活動全国交流会in宮城
地域ぐるみで人育てを~復興から未来創成へ
1年9カ月ぶりのリアル開催に約270人が集う
全国行事が現地開催されたのは実に1年9カ月ぶりとなり、37同友会・中同協から274人(岡山からは4人)が参加しました。
初日の全体会では、中同協共同求人委員長・川中英章氏より「2021中小企業サミット」の紹介と、中同協社員教育委員長・梶谷俊介氏(岡山同友会常任相談役)から問題提起がありました。梶谷氏は「地域に若者を残し、地域で若者を育てる人間尊重の社会を目指すために、経営指針の実践と社員の採用・共育という三位一体の経営が求められています。交流会を通じて、労働観や職業観の社会的変化に対応すべく自社経営を見直す契機としましょう」と訴えました。その後、4分科会に分かれて議論が交わされました。分科会終了後は近隣の会員企業飲食店に移動し、地元企業の応援を兼ねた懇親会が開催されました。
2日目は「社員一人ひとりが生きる企業に~長期的なビジョンを描き、三位一体の企業づくりの実践を」と題したパネルディスカッションが行われました。広浜泰久・中同協会長と(株)宮﨑本店・宮﨑由至会長の2人が、自社の実践事例を紹介。両社ともコロナ禍による業績悪化の中で働き方や社内制度の変革、業務改善に取り組んだそうで、それができたのは、ずっと社員と経営理念を共有し、社員教育を大切にしてきたからだと伝えました。
宮﨑氏は「経営理念と経営指針は戦略を示すもの。社員は戦術となる情報と筋道を伝えなければ動けない。指針を作り、人を採用し、教育を行わなければ人間中心の経営はできない」と話しました。また広浜氏は「人という財産を社内に蓄えていくことが必要。そして顧客に向き合い、『仕事を頼むならあなたの会社に』と言われるFirst Call Company になるために共に学び続ける必要がある」と強調しました。
最後に進行役の川中氏が「我々中小企業は地域を支え地域を照らす存在でなければならない。皆さんの会社は学生が入社して働きたいと思う会社になっていますか?」と問いかけ、一層の企業づくりの実践を促しました。さらに2日間のまとめとして「今の情勢だからこそ地域に人を残さなければなりません。各社が信頼される会社となり、各地で輝く企業を増やし、地域から中小企業の魅力を発信していきましょう!」と呼びかけ、閉会となりました。
三位一体の実践とは【参加リポート】
(株)サンキョウ‐エンビックス 代表取締役 浅野浩一(岡山南支部)
1年9カ月ぶりのリアル全国行事は、全国から300人近い経営者が集まり、活気のある交流会でした。
私は第2分科会に参加し、(株)宗重商店・宗守重泰氏の「三位一体はエンドレス~人づくり5年、風土づくり10年」をテーマとした報告を聞き、グループで討議を行いました。討議のまとめとしては、「厳しい経営環境から脱却するためには社員の協力が不可欠であり、相互に理解を深めつつ経営指針で共に歩んでいく道を明文化し、実践していくことが重要」と確認しました。弊社も引き続き、経営指針を社員と共に実践し続けていきたいと強く思いました。
私はグループ長をさせていただきましたが、まだまだ人を生かす経営の本質が理解できていないためか、深い議論に繋がる進行はできませんでした。それでも、グループの皆様の積極的な討論により、貴重な機会になったと思います。リアルで行う討議は本当に気づきが多く、向き合って話し合いができるのが良かったです。私はやっぱりリアルでの討議が好みです。
また、2日目の記念講演から学んだことは、経営者が注視している社会情勢や経営環境について社員ともっと共有し、自社にどのような影響を与えるのかを話し合う場が必要だということです。社員教育においても「かわいい子には旅をさせろ」の精神で、もっと外の世界で学ばせ、社会性や人間性に社員自身が気づき、自らを磨けるように導いていくことも大切であると学びました。