同友会研修会(兼・21年度役員研修会)
同友会の歴史と理念の本質について学ぶ
3月10日 於= 岡山シティホテル桑田町
3月10日に同友会研修会(兼・21年度役員研修会)を岡山市内で開催し、事務局を含む26人が参加しました。
2021年度県方針の確認を行った後、髙橋正志代表理事が「生きる・暮らしを守る・人間らしく生きる~同友会の歴史と理念から学ぶ」のテーマで問題提起を行いました。髙橋氏はまず、「同友会の三つの目的である『よい会社にしよう、よい経営者になろう、よい経営環境をめざそう』に照らして、皆さんはどこまでよい経営者になれましたか? 入会してどれだけ成長しましたか?」と問いかけました。そして中小企業家同友会が設立された1960年代の労使紛争について触れ、「同友会の理念や『労使見解』は、歴史の中で多くの経営者が苦悩し、命がけで築き上げてきたもの。私たちはそのことを常に忘れず、経営者の本質を学び、語り部として次代に語り継いでいかなければならない」と述べました。また「よい経営者」になるためには、「経営者自身が力量を高め、謙虚に学び、それを自社で実践し、その成果を会内で検証することが必要です。同友会は、学び続けることで経営者が自己を変革することを強調しています。経営者の自己変革こそ同友会の生命力です」と強調しました。
また同友会理念の「自主・民主・連帯」を追求すると、「生きる・暮らしを守る・人間らしく生きる」という人間にとってより根源的かつ普遍的なテーマに逢着することを説明し、「利益を上げて会社を大きくすることが経営の目的なのではなく、社員や人々の生命やよりよい暮らしこそが目的。生産条件は生存条件の手段であり、後者の追求こそ人間尊重の経営の考え方」と伝えました。そして最後に「あなたは生産条件の追求と生存条件の追求のどちらに軸足を置いて経営していますか?」とい2つ目の問いを投げかけて報告を終えました。
髙橋正志 代表理事
その後のグループ討議は「あなたにとって『よい経営者』を目指す上で最も大きな課題は何ですか? またその課題をどのように解消しますか?」をテーマに、参加者それぞれの思いを交換しながら一時間に渡って行われました。
閉会にあたり、山辺啓三代表理事が「白熱した討論から皆さんの学びの水準が一段階上がっていることを実感しました。私たち役員は、あらためて同友会理念に対する理解を深め、自社の実践につなげていかなければなりません。そして同友会運動を一層大きく広げていく責任があります。これからも共に学び、邁進して参りましょう」と締めくくりました。
同友会研修会(兼21 年度役員研修会)参加リポート
同友会理念を深く理解するきっかけに
(株)ケイズ・ユニット 代表取締役 守屋 謙太郎(岡山南支部)
今回、南支部役員であるという責任感から研修会に参加してみました。髙橋代表の問題提起は、同友会運動を牽引された赤石義博氏の私塾に参加し、そこで多くの仲間と同友会理念について本気で勉強し、「自主・民主・連帯」について深い理解が必要だということに目を向けさせられた—というお話でした。
参加して良かったと感じたのは、我々会歴が浅い者にも、基本理念を掘り下げて考える必要性があるという方向付けをしてくださった点です。同友会が会員に提供する学びは幅広く、直接経営の助けになるものも多いため、抽象的で深い理解が必要となる基本理念などは深く理解されないままになってしまう危険性もはらんでいると思います。しかしそこの理解こそ、多くの学びがより肚落ちするための近道なのではないでしょうか。
この場を借りて言うと、同友会を発展させてこられた先輩経営者と接触できる機会が少ないように感じています。この素晴らしい会の資産が、若手会員や会歴の浅い会員に、より身近に感じられるように双方が努力できたら素晴らしいと感じました。
「よい経営者とは」という壮大であり重要なテーマ
(株)ファーストディレクション 代表取締役 木本 康大(東備支部)
今回初めて同友会研修会に参加し、髙橋代表理事のお話を聞きました。その中で、事業を行う上で重要なのは、やはり我々経営者を取り巻く様々な人であり、人間尊重の重要性を「生きる」という視点から深く考えさせられました。
グループ討議の柱である「『よい経営者』を目指す上で最も大きな課題は何か」という問いは経営者の永遠のテーマであり、私は人生が終わりを迎えたときに分かるのではないかと解釈しました。つまり、よい経営者とは、自社の理念やサービスによってお客様に提供できる幸福が、自分の人生が終わった後も永続的に受け継がれていく経営基盤を構築できる経営者ではないかと感じました。それはまさに理念型経営や、企業経営と同友会運動は不離一体であること、そして「人を生かす経営」など、同友会で学べること全てがよい経営者へつながるとあらためて実感しました。それとともに様々な情報や目まぐるしく変化する環境下に置かれる経営者はとくに、謙虚な姿勢で反復的に学び実践し続けることで社会から必要とされる企業となり、その骨格を形成できた経営者こそがよい経営者になれると感じました。謙虚に何度も学ぶという姿勢やマインドは今日からでも実践できます。私は、研修から帰ったその日から即実践しています。