人を生かす経営関連3委員会学習会
企業変革は社員との信頼関係構築から
2月22日、約30人が参加した「人を生かす経営関連三委員会※1学習会」をオンラインで開催しました。
今年度2回目となる今回は、新晃自動車工業(株)辻尚宏社長(京都同友会)が、「小さな会社の企業変革~新晃自動車工業の現在新晃形の挑戦」と題して報告を行いました。
辻氏は先代社長から事業を承継後、組織改革に着手しました。しかし、従来の文鎮型組織からピラミッド型組織への移行で社員との関係は悪化し、危機感を覚えた辻氏は京都同友会の「人を生かす経営」実践道場に参加。経営理念と指針書を作成するも実践が伴わず会社に変化は生まれなかったと言います。その後、企業変革支援プログラムと出会い、チェック項目を一つずつ社員と確認し続けることで、会社全体の雰囲気や組織体制が劇的に変化しました。「社員と協力して労働環境を整備し、社員が会社づくりに参画できる環境を整備することで、対等な労使関係の実現に近づいた」と話しました。また外部環境変化への対応には社員の協力が不可欠であり、その基盤となるのは社員との信頼関係だと強調。多様な人材が能力を発揮できる会社づくりの推進こそが企業の社会的責任であり、労使見解※2の具体的実践であると訴えました。
▲写真:辻 尚宏 氏
最後に、日本の労働人口減少を踏まえ、「社員が誇りを持って働く会社」であるために、経営者自身が労使見解を理解し実践していくことの重要性を強調しました。状況が目まぐるしく変化する時代に対応するためにも、経営者自身が変わり、社員と共に学び、実践していくことが重要だと力説し、同社のロゴマークに刻まれた「人は人によって研がれる」という言葉で報告を締めくくりました。
※1 人を生かす経営関連3委員会
「経営労働」「障害者問題」「社員教育求人」の3委員会をさす。
※2 労使見解
中小企業における労使関係の見解。労使の信頼関係が企業発展の原動力であるとする企業づくりの基本文書。