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【21.06.17】第2回「魅力発信!-New Face」(特非) color

新連載
魅力発信!
-New Face-第2回

この連載では「よい会社・よい経営者」をめざして学び始めた新会員さんにスポットライトを当て、同友会でどんなことを学び、どんな企業を目指すかを語っていただきます。日々奮闘している会員企業を紹介します。



(特非) color
理事長 川上 路代 氏

2019年入会・備北支部

(特非) color
<所在地>
 〒716-0003 高梁市高倉町大瀬八長1656-1
<事業内容>
 障害のある子どもたちやそのご家族の支援、学童保育や一時保育
<社員数>
 正社員:30人、パート:22人(男性5人を除いて女性)

起業のきっかけ

 川上さんは大学で福祉を学び、知的障害者の入所施設に就職しました。しかし入所者の食事や入浴の時間が決められていたり、外出もその都度許可が必要だったりという窮屈な制約に違和感を覚え、「私がやりたいのはこんなことではない!」と3年後に退職。大学院でもう一度学び始めました。学びを深める中で、「人が成長していくには、児童期における周囲の人たちとの関わりが大きく影響するのでは?」という問題意識が芽生え、2006年に出身地・高梁市で児童対象の通所福祉サービスを自ら開所するに至りました。
 「最初は地域の理解も少なく、周囲の風当たりもきつかったです。そもそもNPOが行う福祉サービス事業者がほとんどなく、行政のNPOに対する理解も不足していました。開所してしばらくの間は私の資金を出してやりくりしていました。でも私たちのことを認知してもらう努力を続けるうちに少しずつ理解者が増え、結果的に利用者も増えていきました」

同友会入会と自社経営

 同友会の入会は2019年。その動機について川上さんは「今見ている子どもたちが成人して働くようになった時、どうすれば地元の企業とつなげられるだろうかという課題意識がありました。それに障害者雇用に対する企業の考え方を知りたいという思いもありました」と語ります。
 入会して驚いたのが、障害者雇用に前向きな会員企業が予想以上に多かったことだそうです。その事実を知って「企業と障害者との橋渡しをしたい」という思いはますます強くなりました。「自社の経営や後継者についてきちんと考えなければ」と思い始めたのも入会してから。「それまで絶対につながることができなかった人との関係もできました。社員の研修を会員さんにお願いすることもあります。世界が一気に広がった感じです」と川上さんは話します。

colorのこだわり

 その人が、その人らしく暮らせるためにサービスを提供する(特非)color。最初は今にも壊れそうな古びた民家でのスタートでしたが、2015年には事業所を新設し、吉備国際大学の敷地内にも拠点を設けました。現在各事業所で90人ずつくらいの利用者が登録されています。
 「ウチのウリはとにかくスタッフです。どこに出しても恥ずかしくありません」と語る川上さんですが、以前は自分の思いが強すぎて、社員に厳しく当たることも多かったそうです。しかし、彼らの意見を聞くことを意識的に心がけるようになってからは、社員も自由に意見を出してくれるようになりました。年2回、4月1日と1月4日は終日研修に充てているそうです。また、月に2回、支援方法や福祉制度などの理解のため勉強会を二事業所合同で実施しています。その時間がスタッフ同士の交流の場にもなっています。6年
前、学生時代の友人が総務部門に加わったおかげで事務負担が減り、自分が本来やりたいことに力を注ぎ、組織全体に目を向けられるようになりました。

地域になくてはならない企業に

  最後に今後の展望について伺いました。
 「高梁は少子化で子どもの数が減っています。将来の働き手が減りつつある中で地元企業の元気もなくなっていく—そういう地域が抱える課題に関わることも必要だと感じています。人生では児童期よりも成人期の時間の方が圧倒的に長い。しかし成人すると学校の先生など支援者の数が少なくなってしまうんです。そこで私たちができることを取り組んでいきたい」「そのためにも、color創立の経緯や置かれている現状などをスタッフと共有し、この先もずっと地域になくてはならない組織にしていきたいと思います」と熱い思いを語ってくれました。


記事:フナキ運輸(株)奥田 建志

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