最終講はパネルディスカッション
「中小企業と地域社会のレジリエンス」

7月28日、岡山同友会による岡山大学経済学部への提供講座「現代中小企業論」の25年度最終講が行われました。本講座は同友会の会員経営者が中小企業の経営や取り組みなどを学生に伝え、中小企業のあり方や地域との関わりについて知ってもらう機会として続けているものです。
最終講当日は、(株)Life Capsule Factoryの本郷理英子社長(倉敷支部)と(有)田中製作所の門田悦子社長(倉敷支部)が登壇し、経済学部の学生2人と「中小企業と地域社会のレジリエンス─危機の時代に「人」をどう守り、活かすか」をテーマにパネルディスカッションを行いました。自然災害やパンデミック、社会情勢の変化などの不確実性の多い環境の中で、企業に求められる姿勢、企業で働く「人」のあり方など多岐にわたる切り口で意見を述べ合い、「地域と企業と人」の関係性とその中に身を置く1人ひとりの考えを深める必要を共有しました。
また、学生からの意見として「社員が自分らしく働ける会社」や「数字を求めるだけでなく社員が能力を発揮できる会社」こそが人を活かせる会社の理想像ではないかという発言がありました。これに対し両経営者らが「職場環境がどんなに良くても、売上や利益が伴わなければ会社は存続できない。経営者と社員では、数字に対する感覚に大きな隔たりがある」と答えつつも、「会社が目指す方向性や目標の意図を社員に明確に伝え、そのギャップを埋めていくことが経営者の責任」と述べました。


講義終了後には、経済学部の先生方と、今期登壇した経営者による意見交換が行われ、全体の振り返りと経営者の気づきや学びが共有されました。経営者からは「学生向けに話すことで自社の情報整理ができた」「学生の質疑やレポートで経営者にはない視点からの意見をいただき、とても勉強になった」との感想があり、先生方からは「経営者の生の声と企業のリアルな実情が聞ける貴重な機会であり、学生のみならず担当教諭陣としても多くの学びがあった」との感想が述べられました。