岡山県中小企業家同友会・2023新春経営講演会
みんなのワクワク♥が未来を変える!
~挑戦を楽しみ社員がキラリ★輝く企業へ~
1月19日、2023新春経営講演会を開催しました。講師には(株)吉村・橋本久美子社長(東京同友会代表理事)をお招きし、「みんなのワクワク♥が未来を変える! ~挑戦を楽しみ社員がキラリ★輝く企業へ」の表題でご講演いただきました。昨年同様に現地会場とオンラインのハイブリッド形式で開催し、当日は目標の240人を大きく上回る328人以上の参加がありました。
橋本氏の講演は、(株)吉村の全てのプロジェクトと同様に、最初に「目的」と「数値を入れた目標」を示すことからスタート。この日の講演の目的(到達点)を「経営のヒントになる90分にするため」、目標(目的に辿り着くために必要となる目印)を「『なるほど』と2つ以上はメモしてもらうこと」と宣言し、本題に入りました。
(株)吉村の創業は1932年。主に日本茶などの食品包装資材を手がけ、高度成長期には業績のピークを迎えたものの、その後はコーヒーやペットボトル飲料の普及によって低迷を余儀なくされました。橋本氏は、時代の変化に対応する「明日のメシ担当」として2005年に父から会社を託されますが、限界を感じて同友会に入会。そこで触れた「労使見解(中小企業における労使関係の見解)」という言葉の物々しさに違和感を覚え、自分流に「社員と社長の『相思相愛の関係』」と言い換えることにしたそうです。最初に作った理念には「茶業界のビジネスパートナー」を掲げましたが、その後、日本茶に限定することをやめて「想いを包み、未来を創造するパートナーを目指します」に変更したと言います。
橋本氏は「経営理念が社内に浸透するためには社員自身が自分事として捉えることが必要」と語り、社員が仕事で理念に助けられたエピソードの募集や、理念に対する理解度テスト、部門別理念の策定など、社員の主体性を引き出す様々な取り組みを紹介。社員には「理念に求められる『人間性』『社会性』『科学性』は掛け算の関係。どれか一つでもゼロがあれば全てがゼロ」「サンタクロースの仕事は『子供たちに夢を届ける』という理念がなければ超過酷な深夜業務」などと説明したそうです。そうした甲斐もあって、現在は個々の社員が経営理念に照らして状況を判断し、新企画の提案や販売ツール開発に積極的に取り組むなど、事業の裾野が各段に広がったそうです。
橋本氏は「経営理念が社内に浸透するためには社員自身が自分事として捉えることが必要」と語り、社員が仕事で理念に助けられたエピソードの募集や、理念に対する理解度テスト、部門別理念の策定など、社員の主体性を引き出す様々な取り組みを紹介。社員には「理念に求められる『人間性』『社会性』『科学性』は掛け算の関係。どれか一つでもゼロがあれば全てがゼロ」「サンタクロースの仕事は『子供たちに夢を届ける』という理念がなければ超過酷な深夜業務」などと説明したそうです。そうした甲斐もあって、現在は個々の社員が経営理念に照らして状況を判断し、新企画の提案や販売ツール開発に積極的に取り組むなど、事業の裾野が各段に広がったそうです。
橋本氏は、「1人ひとりが自律し、いざとなったら経営理念を軸に一つになれる組織を目指しています」と話し、最後に「私の話で2つ以上メモしてもらえましたか?」と確認した上で講演を締めくくりました。 講演会終了後には約90人が現地会場に残り、名刺交換会を行いました。久しぶりに顔を合わせた仲間の近況報告や、オブザーバーとの感想交流などで懇親を深めました。当日参加したオブザーバーの中には入会申込書を持参された方もおり、仲間の輪を広げる意味からも実り多い講演会となりました。
2023 新春経営講演会のご参加ありがとうございました
(有)田中電機 代表取締役 田中 章夫(倉敷支部)
2023 新春経営講演会に多くの皆様にご参加いただき誠にありがとうございました。
今回は例年と比べて開催日が早く、新型コロナウイルスの感染者も増加傾向にあったことから、実行委員会では「参加人数が伸びないのではないか」と案じ、途中で計画を見直すなど様々な調整を行いました。ところが、皆さまの積極的なお申込みとお声かけのおかげで、最終的には目標の240 人を大幅に上回る328 人以上の方々にご参加いただくことができました。
実行委員長を拝命した私にとっても、事務局との連携や数値目標の明確化、行動計画とその進捗の管理などの大切さをあらためて痛感する機会となり、自社経営の実践に活かすことのできる大きな学びを得ることができました。 講師の橋本社長には、過去から現在に至るまでの苦難の道のりを赤裸々にご報告いただく中で、「なぜ失敗したかを問う『過去質問』でなく、どうやったら上手くいくか『未来質問』で考える」「長所と短所は表裏一体。短所を解消すれば長所も消える」「理念に求められる社会性・科学性・人間性は掛け算の関係。どれか一つがゼロだと無に帰す」―など、数え切れない気づきをいただきました。
本講演会が皆様にとって多くの気づきを得る機会となり、各社の発展に少しでも貢献できれば幸いに存じます。さらには、良き仲間による良き学びを実感されたならば、ぜひお知り合いの経営者にご入会をお勧めいただき、共に学ぶ仲間を増やしてまいりましょう。引き続きご協力のほど、よろしくお願いいたします。
参加者アンケートより(一部校正・再編集)
<会員>
●自分の短所を見極めて周りの協力を仰ぎながら前進してきた橋本さんにパワーをもらいました。震災もコロナも大打撃なのに果敢に研修を受講して経営理念を作り直すなど、同友会で学び実践してきたからこそ様々な危機を乗り越えてこられたのだと感じました
●「本物の同友会の学びがここにある」と感動しました。私もひとりよがりにならず、社員とともに自社を発展させていかなければとあらためて思いました。
●経営理念を作成するときの「社会性」「科学性」「人間性」の意味が永年モヤモヤとしていたのが、やっと腑に落ちました。「理念はガードレール」という説明も実に的を射ていて納得しました。自分が「明日のメシ担当」として全然仕事ができておらず猛反省です。明日のメシを作れるように経営指針を作成します。
●「物が売れる」と思っているから、売れないことを物のせいにするんだ。大事なのは人が買いたくなるために何をするかを考えること。方向をしっかり定めれば社員は迷わず突っ走って行ける。凄く心に響きました。
●私自身が理念に助けられているので、今以上に理念を共有し自社の武器として活用していきます。今回複数名で参加しましたが、社内で講演内容について意見交換もでき、非常に有意義な時間になりました。
<会員企業社>
●ここ最近の講演会やセミナーの中で一番良かった。「労使見解」は私も言葉としてすごい抵抗感がありましたが、「社員との相思相愛だよ」という言葉で一気に親近感がわきました。
●今まで過去質問ばかりしていた自分に気付きました。次からは「どうやったら出来るか?」という未来質問をしていきたいです。
●「できる」「できない」で考えるのではなく「やりたいか」「やりたくないか」で決めるというところが印象に残りました。
●こちらから指示を出した瞬間に、相手は指示待ち人間になるという指摘にハッとさせられました。まずは自分の中で「理念の自分ごと化」や浸透させたい理由を言語化し、「私はこう思うのだけどあなたはどう思う? どうやったらいいかな?」と、素直に聞くことを実践しようと思います。
●自分にも実践できそうなことがたくさんありました。会社理念を自分の中で落とし込み自分のものにする。アウトプットを大切にし、自分の経験をみんなと共有する。店舗や部門の理念を考えて行動に移す。目的と目標を明確にするクセをつけることも大切だと感じました。
●失敗はダメなもので恥ずかしいと思っていた。しかし挑戦に失敗はつきもので、喜びと同じくみんなで分かち合いたいと思った。